平凡くんの秘密の恋
1
俺は昔から平々凡々な人間だった。性格はどうか知らねえが、容姿も、頭脳も、背丈も、家系も。ま、こんな平凡くんに寄ってくるのは平凡くんしかいないわけで、
いたって普通の生活を送ってきたつもりだ。
こんな俺ですいません。
いやー、俺なんかが主人公で良いんですかね、マジで。
マジで始まっちゃうよ?
いや、こっから先は俺も知らないけどさ。
平凡少年Aの日常なんて覗いても、なーんにも面白くないんだよ、きっと。
あ、でも、待って!
今ページをバックしようとしたそこのあなた!
そう言えば、俺にも一般ピーポーと違うところが2つあった!
うーん。たぶん、2つ。今は思い浮かばねえや。
1つ目。
それは、俺が男しか好きになれないこと。
あ、ちなみに俺はれっきとした男だ。
そして、男しか好きになれないっていうのは、ライクじゃなくてラブの方。
この事に気付いたのは、友達に言われたからだった。
「お前って恋愛話とか全然しないよなー」
って。そんなこと言われてから考えた。女の子とのお付き合いについて、だ。
でも想像、すればするほど現実から遠のいていく自分に気付く。
ほらほら、男ってやっぱりさ、女の子の名前とか使って下ネタとか言ってふざけるだろ?
それに、アハンな妄想したりさ。
でも、俺は全然そういうことをしたいとは思えなかった。
「な、この子可愛くね?」
「いやいや、やっぱボインだろ」
いつもはだいたい3人くらいで固まって行動してる。この時も、俺の机に広げられたグラビア雑誌をネタに集まっていた。
「な、お前はどうなんだよ」
入るつもりも無かった会話に引き込まれ、正直迷惑だった。
「別に・・・」
「え!?なに、グラビアが嫌いなのかよ!」
「いや、そうじゃねえけど。何て言うか・・・」
興味ない。
そう言った途端、俺以外の2人はあんぐり口を開けた。
なんでも、俺が知らなかっただけで、健全な一般男子はそういうことに興味を持たない人間はいないらしい。
そういうことっていうのは、その、女の子の裸を妄想したりすることだ。
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!