変態は大変だ
悪魔との事後
その後
「ケツ痛い」
「ごめん」
「声枯れた」
「・・・ごめん」
「レイプ魔、悪魔。」
「ごめんなさい」
拗ねる俺に、純はひたすらに謝る。
脅されているのは俺の方なのに、これじゃ逆みたいだ。
あ、でも、そうか。
これって考え様によると
「・・・俺のことバラしたら、おばさんにレイプされたことバラすからな」
俺にも純を脅す材料が出来たってことじゃないか?
案の定、純はばつの悪そうな顔をする。
女装のことバラされたら勿論一貫の終わりだ。だけど純だって、この事をバラされたらただじゃすまないだろう。
つまり、俺達は弱味を握りあった対等な立場だということだ。
それにしても、
「なんで俺とセックスしようと思ったの」
純にそう聞くと、純はより気まずそうな顔をする。
だって、そうだ。
コイツだってモテないわけじゃない。
性欲がたまってただけなら女の子でいいだろう。
「・っ・・好きだったから、じゃ駄目かな?」
ん、?
「俺、前からお前の事すきだったんだよ・・・」
観念した、という風にぼそぼそ語る純の顔は真っ赤だ。
え?
つられて俺の顔も熱くなった。
「高校別々になってあんま会えなくなってたから・・・夜、公園で会った時、ラッキーて思って、つい」
な、なにがラッキーだ、
「蒼汰は?俺のこと、どう思ってんの?」
おずおずと顔色を伺う純。
俺、俺は
「す、好きじゃ、ない」
純は目に見えて落ち込む。
「でも嫌いじゃ、ないから、・・・悔しかったら好きにさせてみろよ」
真っ赤になってそれだけ言った俺に、純はぱあっと瞳を輝かせる。
「俺、お前のこと超幸せにするから!」
「気が速ぇよバカ!!!」
抱きついてきた純の頭をはたく。
が、その腕は純に掴まれ、ベッドに押し倒されてしまった。
「ってゆーか、こんな変態な体満足させられるの、俺だけだろ」
耳元で言う純に、俺はただただ赤くなることしか出来なかった。
おわり。
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