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変態は大変だ
悪魔のメール
メールが届いたのは週末だった。

蒼汰は、純の家の玄関に立つ。
何度も来たことのあるはずのこの家のチャイムを押すのには、中々勇気がいった。




「あら、そうちゃん久し振り。」


「お久し振りです」


「ごめんね、おばさん今日、お見舞い行かなきゃならないのよ。純は部屋にいると思うから」


純のお母さんはそう言ってぱたぱたと慌ただしく玄関を出ていく。

行ってらっしゃいと、おばさんへの挨拶もそこそこに、俺は階段を登る。
純の部屋は二階の端。
中学のころは何度も遊びに来たから分かっていた。


震える指で、ノックする。


「どうぞ」


扉を明けると、ベッドサイドに座っていたのは妖しい笑みを浮かべる純だった。


「今日はふつーの服なんだ?」

純はそう言って笑った。

先日の出来事を思い出して、かあっと顔が赤くなった。

そんな俺を見て純は満足そうに笑う。


「今日は何しにきたの?」


にやにや笑いながら純が言った。


「・・・お前が来いって言ったんだろ」


平然を装い、やっとの事でそれだけ言うと、
純は違うだろ、と笑う。

どきりとした。

そう。純からのメールには


『抱かれる準備してこい』


って書いてあったからだ。


「何しにきた?」


純は、もう一度そう言う。

悪趣味だ。


「・・・抱かれに、きた」


羞恥に耐えてそう言うと、純は満足そうに笑った。


先日の情事。
女装の趣味があること。

バラされるリスクを思うと、
俺はコイツに逆らえない。

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