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変態は大変だ
プロローグ
赤羽蒼汰16才。
成績優秀、品行方正。
生徒のみならず教師からの信頼も厚く、絵に描いたような優等生。

だけど俺には、人に言えない秘密の趣味がある。


身長が低かったせいか、顔付きが中性的だったせいか。
俺は物心つくころには、年の離れた姉二人のおもちゃにされていた。

お下がりのフリフリの服を着せられたり、薄く化粧を施されたり。

そして、中学生になったとき、とうとう俺は気付いてしまう。


女装って、楽しい。

普段と違う格好をして、ウィッグをつけて、薄く化粧をして。
その時だけは違う自分になって、日頃のストレスから解放された。
いわばコスプレみたいなものだ。

まさか俺がこんな事してるなんて、誰も思わないだろうな。
白のブラウスに、ふんわりしたクリーム色のスカート。
鏡に写るもう一人の自分。
ちょっとした背徳感に興奮を覚えた。

だけど、と思う。

毎週末のように続けるこの趣味。
鏡に写る自分を見るだけでは、ちょっとだけマンネリ気味だ。
刺激がほしい。

・・・もし仮に知り合いに合ったとしても、この姿なら、誰も気付かないんじゃないか?


今となっては気が狂っていたとしか思えない。


俺は、夜の公園に散歩に出てみることにした。


この判断が自分の運命を大きく変えることなんてまだ気付いてもいなかった。

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あきゅろす。
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