首無しライダー
胸糞悪い(臨帝)
チャットをしている時、ふと思う事がある。
臨也さんはどんな顔をしてネカマをしているんだろう………
《太郎さーん》
《太郎さーん》
《太郎さーん。無視しないで下さいよぉ。もしかして落ちちゃいました?》
画面を見れば甘楽さんが喚いているのが見える。画面上の文字だから喚くっていうのは違うかもしれないけれど
でもわざわざフォントを大きくしている所なんて喚いているというに相応しい。
【ごめんなさい!!!ちょって考え事をしてしまって】
《太郎さん酷いです!!プンプン(●`ε´●)》
思わず吹き出してしまう様なわざとらしさ。
やっぱり臨也さんはどんな顔をして甘楽としてチャットしているんだろう…
その日はそんな感じでチャットは終わった。
平和な日常。
正体が臨也さんだとしても、平和すぎるチャットだった。首無しライダーの話題も妖刀の話題も何もない。
ただただ平和でダラダラした会話。
あの臨也さんと世間話をするなんて考えも付かないけれど甘楽さんとなら出来る。
顔も見えないチャットならでは。と言った所だ
そして
最初の疑問に戻る。
臨也さんはどんな顔をして甘楽さんをしているんだろう。
真面目に?
………ありえない。
楽しみながら?
少し違う気がする。
実はアレが素?
気持ち悪い。
やっぱり臨也さんは分からない。
チャット中もふと抱く疑問についてアレコレ考えていた帝人はふと足を止めた。
そんな帝人を邪魔そうに避け、池袋の住人は各々の思う道を歩いてゆく。
まとまりのないざわめきは無秩序という言葉が似合っていた。
けれど、この街はまるで一つの生き物の様。
そんな中、その異物ははっきりと存在を主張していた。
もし人間のオーラとかが見えるなら彼の色は白いコーティングをしたドブ色だ。と思いながら帝人は近づいてきた彼を見る。
「やぁ、帝人君。偶然だね」
「そーですね」
通学路で待ち伏せしていた癖に偶然といけしゃあしゃあと言い放つ臨也の厚顔無恥さに帝人は呆れかえりながら返事をする。
「偶然ついでに一つ聞かせてくれないかな」
「かまいませんよ」
「アッレ。やけに素直」
「…答えなかったら答えるまでついてくるんじゃないですか?」
「やだぁ太郎さん。私そんなことしませんよぉ」
キャッキャッと騒ぐ臨也の気色悪さに顔をしかめながら帝人は彼を見た。
「昨日の話なんですけどぉ」
酷く楽しそうな甘楽口調の臨也の目にゾクリと身を震わせる。
人間をありとあらゆる手で思うように弄ぶかの様な歪んだ瞳。
ああ…
臨也さんにとってこの口調は相手を油断させる為の手なんだ
そう悟った帝人は尚も甘ったるい口調で話し掛ける臨也から顔を背けた。
「太郎さぁ〜ん。また無視しないで下さいよぉ」
気色悪い声がいつまでも帝人の耳をザラリと犯していた。
――――――――――――――――
なんとなく
甘楽やってるときの臨也ってキモイなと思いまして(笑)
ただ自分の得にならないことをする奴じゃないので
甘楽は相手を油断させる為のパフォーマンスなのかなぁ
[2010/5/22.Up]
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