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首無しライダー
♪ラブ・インストール(臨也)

「〜♪」

電子の歌声が無機質な部屋に響く。
歌詞も何もない。ただのハミングだったが、それはすでに一つの歌として完成されていた。

デスクの上に座り、歌うのは小さな少年。
小さいと言っても年齢的な幼さではない。確かに彼が生まれてからまた1年も経っていないが…
この小さいは体長的なもの。


その少年は、デスクの上の鉛筆立てほどの身長しかなかった。
短く切られた黒髪は活発な印象を与えるが、歌う彼の表情は憂い。


ブラブラと足を動かし、彼は窓の外を見ながら歌い続ける。



それから小一時間後…


「ミカド君」

「あ、マスター!!!!」

掛けられた声に少年の顔から憂いが一瞬にして消える。
クルリと振り返った彼は満面の笑みを浮かべて帰宅した男の方へ駆け寄る。

「おかえりなさい!!!!」

デスクからジャンプし、マスターに飛び付けば頭の上から苦笑が

「ミカド君。危ないじゃない」

「う…」

無理なジャンプはするな。
デスクから落ちたら危ない。
何度も言われた忠告もマスターが帰ってきたと思うだけで消えてしまう。

「ごめんなさい…」

シュンとして謝るミカドの頭を優しく撫で、マスターは穏やかに笑う。

「いいんだよ」

優しい言葉にミカドは嬉しそうに笑い、マスターにしがみつく手に力を籠めた。

優しい優しいマスター。
ミカドはそんなマスターが大好きだった。




♂♀




俺のミカロイドは世界で一番可愛い。
そう思ってるマスターは多いだろうけどそれは勘違い。

「だってミカド君が一番可愛いに決まっているじゃない」

「マ、マスター!!!?いきなり何言い出すんですか!!!?」

顔を赤くして慌てるミカドが本当に愛しい。

「ねぇミカド君」

「はい」

「名前で呼んで」

「え…でも……」

「マスターじゃなくてちゃんと呼んでよ」

「う…」

困った様に目を動かす様も可愛い。
この表情が見たいから俺はミカドに普段はマスターと呼ばせて、それ以外の名で呼ぼうとすると困惑する設定にしている。

「俺の言うことが聞けない?」

「マスターの言いつけは守ります!!!」

「でもデスクの上から飛んだよね」

「そ、それは…」

困って半泣きのミカドに体中の熱が下半身に集中するのを感じる。

ただのロボットに欲情するなんてどんな変態なんだ…



「マスターが帰ってきて嬉しかったからです」

ああ、なんて可愛いんだろう!!!
俺が設定した挙動システム。
俺が構築した会話システム。
俺が作り上げた人工的な命。


「仕方ないなぁ。許してあげるから名前で呼んでよ」


恩着せがましく促せばミカドは困った様に俺を見上げながら口を開いた。


「…臨也さん」



小さく俺の名を呼ぶミカド。
それだけで幸せを感じるなんて…


「ミカド君。愛してる」


世界中の人間よりも遙かに深く愛してる!!!!!

――――――――――――――――
マスター臨也は気持ち悪いです(笑)

ウザイよりもキモイです
でも一番報われてる臨帝の様な気がしますwww




[2010/3/11 Up]

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