首無しライダー
パパが来たC〜泡泡泡〜
「ホント最低」
シャワーで食器洗剤の泡を流しながら帝人はため息を吐いた。
「何がー?」
狭い風呂に浸かりながら、ニコニコと笑う父親。あまりにも無邪気すぎて文句を言う気にもならなかった。
「泡まみれにされたり、強引に風呂に連れ込まれたり」
それでも帝人は文句をきっちり言い、父親の顔面にシャワーヘッドを向ける。
「ぶわっ!!?」
「じろじろ見ないでよ」
「なんでダメなの!!?みー君がこんなちっちゃい時はパパ、みー君のいろんな場所余す所無く見たって言うのに」
10円玉サイズを指で作り力説する父親。頭オカシイんじゃないかと思いながら帝人はシャワーを止め、シャンプーを手にとった。
「僕がそのサイズの時は母さんのお腹の中」
「みー君ノリが悪い…そうだパパが頭洗ってあげようか。小さい時はいつもパパがやってあげてたよね」
「それ小学校の低学年まで」
ワシャワシャと頭を洗いながら返事をすれば、
「シャンプーハットが無いとすぐぐずっちゃうんだよ。ホントに可愛かったなぁ。あ、今のちょい反抗期気味なみー君も可愛いよ」
埒も無い事をベラベラと聞かされる羽目になる。
昔語りほど恥ずかしいものはない。
それもこれも全て父さんのせいだ。
帝人は心の中で舌打ちしてから、先ほどの暴挙を思い出していた。
「女の子よりもみー君に欲情する」
父親としてイッちゃった気持ち悪い発言。
思わず泡だらけのスポンジを投げつけたのがすべての始まりだった。
ベシャ
というなんとも言えない音を立ててぶつかったスポンジ。
艶やかな黒髪にべったりと泡を付け、肩に付き、床に落ちた。
「みー君がDV!!!?」
世界の破滅を告げるかの様な絶望的な悲鳴を上げながら、目に入りかけた泡を拭う父親。
「でも安心しなさい。どんなに暴力を振るわれても父さんはみー君を愛している。むしろソレも新たな快感になりそうだよ!!!!」
「キモイ」
「言葉の刃でグッサリ刺されても大丈夫!!!父さんドMだから」
父親の性癖なんてこれっぽっちも知りたくない帝人はスポンジ第二段に大量の洗剤を含ませ…
「少し静かにしてよ!!!」
再び投げつけた。
「ふぎゃっ!!!」
今度は顔面にぶつかったスポンジ。
大量の洗剤のお陰で異常な量発生した泡が顔や服や床を汚す。
「うー…みー君。洗剤の泡は苦いんだよ。私は苦いの苦手なんだから少しは手加減してってば」
「じゃあ黙れ」
「わぁ愛するパパに暴言吐くみー君も素敵!!でもパパ、ブロークンハートしちゃったからみー君にもこの気持ちを味あわせてあげようと思います」
「え」
イヤな予感に身構えた帝人であったがそんな警戒も簡単に突破した父親に抱き締められてしまう。
「ちょっ父さん!!?」
「みー君も泡にまみれればいいさ」
「離してよ!!!」
「イ・ヤ★」
とまぁそんなこんなで部屋も自分も泡まみれにされてしまった。
「父さんなんて大嫌い」
「でも大好きなんだよね」
「…………煩い」
もう一度シャワーをぶつけてみた。
――――――――――――――――
父帝
みー君がパパにちょっとデレた!!!!の巻でござんす
ぶち殺したい位にウザイですね(-_-;)
[2010/2/28 Up]
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