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首無しライダー
オブラートに包み込んで(臨→帝)



「帝人君。セックスしよう」



通学路でバッタリと遭遇した臨也の唐突かつ頭のオカシイ発言に帝人はポカンと口を半開きにした。

「お断りです」とか「何言ってるんですか」とか「ふざけないでください」とか色々頭に浮かぶ言葉は、どれ一つとして帝人の口からは出て来ない。

それ位に臨也の発言は素っ頓狂で狂気じみていた。



「あれ、聞こえなかった?」


満面の笑みを浮かべながら、臨也は無反応すぎる帝人の対応に彼なりの結論を導き出し、その結論に基づいて更なる言葉を紡ぐ。

「帝人君、セックスしよう!!!」

今度は大声である。
天下の往来でセックスと叫ぶ美青年。
しかも相手はひ弱そうな少年。

なかなかにシュールな光景に道行く人たちの視線がビシビシと二人に突き刺さる。

いたたまれなさに帝人は穴があったらすぐにでも入りたかった。
けれど、両肩をガシリと掴まれてしまっては逃走経路の確保は不可能。

せめてもの抵抗に帝人は俯くしかできない。


「ん?ひょっとして意味わからなかった?」


帝人の反応に対して恐ろしい解釈をした臨也は、今度はわかりやすい表現で叫んだ。


「帝人君のお尻に俺のチンコをぶち込ませて!!!」

もう目も当てられない惨状である。
直接的というか下品というか、判断すら下したくない臨也の誘いに帝人はもはや限界を突破していた。


「キモイ…」

ボソリと呟かれた帝人の言葉。


「ん?どうしたのかな帝人君。照れてる?」

その言葉を曲解する臨也に向かって帝人は柔らかい笑顔を向けた。
天使も裸足で逃げ出すかのような愛らしい笑顔。


けれど


「空気が汚れるので喋らないで下さい」

天使も恐怖のあまり逃げ出しそうな位に冷たく、恐ろしいまでに冷ややかな帝人の言葉に流石の臨也もよく回る口を閉じざるを得なかった。


「むしろ目が腐りそうなので消えて下さい」

容赦なく心をザクザクと抉られた臨也は泣きそうになりながら、やっとの思いで言葉を生み出した。

「帝人君ってツンデレ可愛いっ」

バチコーンとウィンクをしながらの必死の一言は
「はっ」と鼻で笑われて臨也の心ごとズタズタに切り刻まれる羽目となってしまった。


―――――――――――――――
久々の更新という訳でリハビリを兼ねての臨→帝
言葉をオブラートに包めない二人の会話をイメージでございました

[2011/09/07.Up]

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