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首無しライダー
雲を切り裂いても太陽は手に入らないよ(臨帝)

「情報を下さい」

新宿の事務所まで顔を出した帝人を笑顔で迎え入れた臨也はいきなりの言葉に一瞬、目を見開いた。

「いきなりどうしたのかな?君が俺の情報を欲しがるなんてさ」

ソファーを勧めた臨也はやはり笑顔のまま帝人の正面に座った。

「そんな事どうでもいいじゃないですか」

臨也の問いをあっさりと切り捨てた帝人は苛立ちを隠しもせずに先を続けようとする。

「帝人君。君は変わったね」

酷く楽しそうに臨也は嗤い、言う。

「そうですか?もしそうだとしたら臨也さんのせいだと思いますよ」

臨也の言葉を混ぜっ返すように帝人は言い、かつて言われた言葉を呟く。

「『進化し続けなければいけない』そう言ったのは臨也さんじゃないですか」

「ははっ進化?」

けれど、臨也は帝人をバカにするように笑い、大袈裟に叫んだ。

「今の君が進化の結果?随分と面白い事を言うじゃないか。でも俺からすれば、退化にしか見えないね!!!!」

「っ」

息を飲んだ帝人に畳み掛けるように臨也は続ける。

「かつての君はダラーズの創始者としてダラーズを傍観し、傍観することでダラーズを君の思想で支配していた。いわば支配者だった。だけど、今の君はどうだい?帝人君」

歌うように
詰るように
弄るように

臨也は言葉を紡いでゆく。

「今の君はただの創始者だ。ダラーズを支配するどころか、ダラーズにさえ捨てられている。それを取り戻そうとブルースクエアのリーダーになるだなんて…これを進化というのなら、アロワナだって進化しているだろうね」

「人を古代魚扱いしないでください」

そう混ぜっ返すだけが帝人のできた唯一の反撃で、

「ああゴメンゴメン。そういえばアロワナは進化しないだけだったかな。退化した君とは違うね」

明らかな侮蔑に帝人の頬は紅潮する。
それをどうこう言う事なく臨也はニコリと人を喰ったような笑みを浮かべた。

「俺は人間が好きだ。だから、人間のする事なら、進化だろうと退化だろうと停滞だろうと愛してる。でもね帝人君…君が退化するのは、とても不愉快だ」

「臨也さんが何を言いたいのか全くわかりませんよ」

少しばかり自分のペースを取り戻した帝人は余裕の表情で臨也の言葉を聞き流す。
けれど、臨也は聞き逃すことを認めないかのように、帝人に向かって言葉を突き立てた。

「帝人君だって分かっているんだろう?今のやり方じゃあ決してダラーズの神たる支配者には戻れない。なれたとして、せいぜい暴君だ」

「………それに、何の問題がありますか?」

臨也が突き立てた筈の言葉は帝人には何も伝わらず、霧散してしまう。


臨也にとって、狂信的にまで自分の選択した道を信じる帝人の姿は、哀れな道化師に見えていた。

道化師がどう足掻いたところで、王に戻れるわけはないというのに…

――――――――――――――――
道化師たる臨也にさえ道化に見えちゃう帝人様とか哀れ可愛い
と思った結果がコレです

なんかイメージと違うにゃぁ

[2011/6/5.Up]

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