企画
年賀状を出そう!!!(父帝)
『年賀状は25日まで♪』
そんなCMを図らずも目撃してしまった帝人は表情を曇らせた。
このご時世、年賀状をほしがる人間がどこにいるというのだ
メールで事足りるじゃないか
そう思っていたのに
「みー君みー君!!!一人暮らし始めた訳だし年賀状とか出してよ!!!」
とか何とか父親が喚いたのはつい先日
どうせ帰るからいいじゃない
と主張しても聞きやしない
「みー君からの年賀状が欲しい〜〜〜〜」
電話口で延々と年賀状年賀状と騒ぐ父親がウザったくて、「分かった出すよ」と答えてしまったのは、ついこの間。
「手書きだよ!!!それ以外は受け付けません!!!!」
とかめんどくさい条件まで付けられてしまって帝人は頭を抱えていた。
そろそろポストに入れないと正月に間に合わない。
帰省して年賀状が届いていなかったら、これまた父親がめんどくさい事を言い出すのは火を見るより明らかで
「どうしよう…」
とりあえず年賀はがきを買ったけれど、これっぽっちも文章が浮かばなかった。
『あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします』
という言葉とウサギのイラストが印字されているハガキの自由筆記欄はたったの3cm
なのに何も浮かばない。
毎週毎週電話をしているのだから近況報告などやる必要なんて欠片も無かった。
それに、これが届くタイミングに実家に自分が居ると思うと滅多な事も書けない。
たった一枚の年賀状。
それがこんなにも大変な物だったなんて
「もう…仕方ないな」
帝人は頬を軽く膨らませ、ボールペンをカチリと鳴らした。
後は野となれ山となれ
悩んでいって名文が思いつくわけではないのだ。
書き上げた年賀状をマジマジと眺めた帝人は正月に父親がどんな顔をするのか、ほんの少しだけ楽しみになっていた。
―――――――――――――――
久々に父帝!!!!
年賀状って書くのめんどくさいと思う
[2010/12/23.Up]
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!