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企画
駄菓子パーティー(臨帝+父:来栖未来様リク)
駄菓子パーティー(臨帝+父:来栖未来様リク)

変態臨×純粋帝がイチャコイテタラ父乱入





「帝人君。はいコレ!!!!」

家に上がるなり、満面の笑顔でビニール袋を床の上に置いた臨也。

「何ですか?」


何か買って欲しいなんてお願いしてないのになぁ。とか思いながら帝人は臨也が押し付けてくる袋の中を覗き込んだ。

「わぁ」

袋の中には大量の駄菓子。
懐かしいものから見たことがないものまで各種取りそろっている。

「どうしたんですかコレ!!?」

先ほどの胡乱気な問いとは打って変わって帝人の声は楽しそうに踊っている。

「うん。最近の趣味が駄菓子でね」

袋の中から"んまい棒"を取り出した臨也はパッケージを開け、帝人の目の前で意味も無くそれを振った。
チーズ風味の"んまい棒"の独特な香りに帝人の頬は自然と弛んでしまう。

「でも一人で楽しむのが勿体無い位に楽しいから帝人君にもお裾分けしようかなって」

パクリと"んまい棒"を口に入れた臨也は「好きなもの食べなよ」とか言いながらパリパリサクサクとソレを咀嚼してゆく。

「この何とも言えない安っぽい味がたまらないんだよ」

「安っぽいって」

苦笑しながら、帝人は袋の中を再度覗き込む。

「確かに臨也さんからしたら安いかもしれませんけど…あ、これ懐かしい」

帝人が手にしたのは"練り練りねりね"。二つの材料を混ぜ合わせると変なドロリとした物体Xが発生するという意味不明なお菓子。

「美味しくないのに昔ハマってたんです」

ど派手な紫色のパッケージをマジマジと見た帝人は二本目の"んまい棒(バーベキュー味)"を食べている臨也に「これ貰ってもいいですか?」と非常に奥ゆかしい質問をする。

「勿論、この袋の中は全部帝人君の物だからね。好きなだけ食べていいよ」

臨也の許可を得て、帝人はますます目を輝かせた。
パッケージを破いて簡素なプラスチックケースを出す。
中にあった小袋を開け、中身をそのケースに入れて準備万端。
二つの凹みに二つの謎の物体。
一つは白いゲル状のもの。
もう一つはピンク色の粉末。

パッケージの中に入っていた専用の棒をゲルの中に入れ、帝人は嬉々として掻き回す。

グチグチグチグチ

一心不乱に掻き回す帝人に臨也は声を出さずに笑う。
やっぱり子供だなぁ
なんて失礼極まりないことを思いながら帝人の手を取る。

「ちょっと頂戴」

「えっ」

帝人の手を握ったまま棒に絡め取られた白いゲルを口に含んだ臨也は微妙すぎる味に顔をしかめた。

「いきなり何するんですか!!?」

「ごめーん。だって帝人君がソレばっかり見てるからさ。なんかムカついちゃって」

「!!!!!」

大きく目を見開いた帝人は嫉妬丸出しの臨也の台詞に赤面し、棒をゲルの中に突き立てた。

「な、何言ってるですか!!!!これはちゃんと粉付けなきゃいけないんです」

帝人は練り取ったゲルの玉を粉の上で転ると、綺麗にピンクの粉をまぶしたお菓子を臨也の口元に運ぶ。
照れ隠しなのかその所作は乱暴で、けれど耳まで真っ赤な帝人の様子に臨也は満面の笑みを浮かべる。

「食べさせてくれるんだ」

茶化すことを忘れず、臨也はパクリと奇妙なお菓子を食べる。

パチン

まぶした粉の成分なのか口の中で弾ける感覚。
味覚ではなく触覚を揺さぶるソレに臨也はやはり顔をしかめる。

「ん、面白いね」

それでも帝人に食べさせて貰ったというだけでテンションが上がるのは事実。帝人本人に他意がないのも良い。
自分に食べさせた棒を使って楽しそうにお菓子にパクついている帝人。

「ねぇ帝人君帝人君」

「ふぁい?」

口の中に大量のゲルを含んだまま返事をする帝人に「ハムスターみたいだね」とか言った臨也は自分の手の中にある"んまい棒(カレー味)"を

「えい!!!」

「!!!?」

いきなり帝人の口の中にツッコム。

「俺のも食べさせてあげる」

親切そうな台詞ではあるが、口の中が既に満杯に近かった帝人にとっては有り難迷惑。むしろ大迷惑な状況。

「どう?おいしい?」

味わってよ。とか言いながらんまい棒で帝人の口の中を蹂躙する臨也。帝人は息苦しさと逆噴射を抑えるのだけで精一杯でもう涙目。
真っ赤になった帝人の顔を楽しそうに見ていた臨也は暫く"んまい棒"で帝人の口を弄んでから、「ああごめん。今苦しかった?」悪びれることなく謝る。

「かはっ」

"んまい棒"を引き抜かれた帝人は白いゲル状のお菓子を吐き出し、噎せる。

ああ、ヤバい。腰に来る。
などと臨也が思っていると、涙目の帝人に思いっきり睨まれる。

「ひどいです」

潤んだ目で見られても欠片も怖くないし、むしろ可愛いだけだと帝人は全く気づいていないらしい。
口の端に付いたゲルを手で拭った帝人は小さくため息を吐いた。

「なんでいきなり」

「美味しかったから帝人君にも食べさせたいなって思っただけだよ」

「……せめて声かけてからにしてくださいよ」

溜め息混じりの帝人の文句に臨也は「今度からはそうするね」と言い、"んまい棒"をかじる。
それはさっきまで帝人の口の中を蹂躙していたもので、白いゲルが未だ付着していた。

「混ざるとおもしろい味になるんだね」

「普通やらないと思いますよ」

「そう?」

呆れ顔の帝人に臨也は笑い、棒をサクサクと食べていく。

「帝人君も食べる?」

「っ」

どんな味なんだろうと思案していた心を読み取られ、帝人は言葉を失った。

「いいよ。だって帝人君に買ってきたんだから」

"練り練りねりね"と帝人の唾液と臨也の唾液が絡み合った"んまい棒"を差し出し、臨也は他意も無さそうに笑う。

「いいんですか?」

好奇心が人一倍強い帝人は目を輝かせながら、臨也の持つ"んまい棒"に口を寄せ

「止めーーー!!!!」

突如響いた絶叫に体をビクリと震わせた。

「何食べちゃってるの!!?ペしなさい。ペ!!!」

"んまい棒"の先だけをかじっている帝人はそのままの体勢で乱入者に視線を向けた。
慣れ親しんだ顔だ。

「父さん。何してるの」

"んまい棒"から口を離し、帝人は文句を口にする。

「何してるのは私の台詞だよ!!!それにパパって呼びなさい」

「駄菓子の食べさせあいですよ"パパ"」

「君にパパと呼ばれる筋合いはない!!!!」

ニヤニヤと笑う臨也に怒鳴り、竜也は帝人と臨也の間に無理矢理に入り込む。

「ちょっと父さん」

意味不明すぎる父親の行動に帝人は不満を声を上げる。

「駄菓子パーティーの邪魔しないでよ」

「君の魂胆は分かってるだよ。折原君」

「二人とも…何言って」

帝人の声を完全にスルーして二人は睨み合う。

「魂胆?ああやだやだ。汚い大人ってなんでそういうことを考えるんだろうね」

「汚い大人は君だろう?」

バチバチと火花が散る両者を呆れたように見ていた帝人は小さくため息を吐くと残りの"練り練りねりね"をパクリと食べた。

――――――――――――――――
私はイチャイチャといった言葉の意味が分からないみたいです
謎な話になりました(-_-;)

お待たせした挙げ句こんな話で申し訳ないですm(_ _)m

臨也に
「俺の"んまい棒"食べる?」
とか言わせたかったのは一生の秘密です


[2010/6/26.Up]

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