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企画
寂しいと病気になるの(人宗:葵様リク)

宗像先輩が意外と病弱だと知ったのは彼が地上へと顔を出す様になってから
今までほぼ無菌状態の地下施設に閉じこもっていた彼は外に出る度に妙な風邪を貰ってくる、らしい。


ついでに先輩が風邪を引くのはイベント事とかがあって生徒会がクソ忙しい時ばかり。
今回だって新入生歓迎パーティーとかいうめだかちゃん主催のイベントの準備に追われていたら、理事長から先輩がまた風邪を引いたとか言う電話が。
風邪で弱った宗像先輩は手負いの獣みたく他人を寄せ付けない。俺を除いて。
だから看病はいつも俺の仕事。
その事が信頼されてるという自尊心を擽る。




「…人吉君のせいだ」

ケンケンと軽い咳をしながら俺を罵る宗像先輩。
熱で潤んだ目で見つめられると何となく気恥ずかしいのだけれど、そんな事本人に言ったら殺されそうだから言わない。

「なんで俺のせいなんですか」

水に浸したタオルを絞って、宗像先輩の額に乗せる。気持ちよさそうに目を細める先輩は可愛くて可愛くて、色々と溜まらないものがあったりするのも秘密だ。
言ったら殺されるに違いない。
「人吉君が不埒だ。だから殺す」とか言って…

ちょっとイイかも。
と思ってしまうのは壮絶な照れ隠しだと分かっているから。


「人吉君が外に居るから」

「?」

「人吉君が地上に居るから外に出るしかないじゃないか」

「それって」

「そのせいで耐性のないウイルスに侵されるんだ」

「俺に会いに来てって事ですよね」

こんな風邪をほぼ100%引くって分かってるのに会いに来てくれる。
なんて愛されてるんだろうか。
舞い上がりそうな俺の心とは反対に先輩の機嫌は急降下。

「殺す」

そんな弱々しく言われる愛の言葉は恐怖よりも欲を生むと先輩はまだ気付いていない。

「でも、そういう事なんすよね。俺が忙しくてこっちに来れない時に風邪引くって事は」

寂しいから会いに来てる。

「人吉君が来ないから殺しに行ってるだけ」

「やっぱり会いに来てくれてるんですね」

ああ、何て愛しいんだろう。
風邪を引くっていうリスクがあるのに俺に会いに来てくれるなんて。

熱以外のせいで顔を赤くする先輩の可愛らしさににやけていれば「気色悪い。今度殺す」なんて憎まれ口。

「わかりました。今度殺しにきて下さい。だから今は治す事だけを考えて下さいね」

「っ!!!!」

目を見開いた先輩はますます顔を赤くして、布団を頭から被ってしまう。
嗚呼、宗像形。テビルかわいい!!!!
毎日毎日毎日毎日思う事をやっぱり思いながら俺は布団越しに先輩の頭を撫でる。
この下で先輩はどんな顔をしているんだろうか。

「先輩」
「宗像先輩」
「顔出してください」

全然反応の無い先輩。

「そんなに篭もってたら汗かいちゃいますよ」
「汗かいたら拭かないと悪化しちゃいますよ」
「宗像先輩」
「ムリヤリに剥いで、強引に体拭きますよ」

「君って奴は!!!」

布団から顔を出した先輩は僅かに汗ばんでいて。
熱っぽく潤んだ目と合わせてやたら色っぽい。

「絶対に殺す」

「はい、だから早く元気になって下さい」

弱々しい殺意は恐らく風邪のせいだけじゃない。
風邪を引くと人は気弱になるものだから。
それにノーマルもアブノーマルも関係ない。

「宗像先輩」

殺す殺すと呟き続けている先輩が可愛くて可愛くて、頭を撫でていれば先輩の目がとろとろと眠気に覆われていく。
こんな先輩の看病を誰にも譲りたくない。

永遠に俺だけが宗像先輩の看病をできる事を願いながら、熱くて乾燥してしまっている先輩の唇に自分のものを重ね合わせた。


――――――――――――――――――
人宗!!!
風邪っぴき宗像さんはエロ可愛いと思います
とりあえず人吉君は色々と我慢してるに違いありません
最後に手を出しましたが(笑)

[2010/05/25.Up]

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あきゅろす。
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