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企画
非日常渇望症候群(臨帝←青:のほほ様リク)
校舎の屋上で携帯ゲームをしている帝人。
やたら旧型のそれはゲームボーイ。今となっては骨董品のソレを帝人に渡したのは、現在帝人の隣に座っている青葉だった。

「…」

現代っ子には珍しいポリゴンのキャラがフィールドを蟹歩きをしている。そんな画面を見つめている帝人ははぁとため息を吐いた。

「ダメですか」

「うん」

ゲームボーイを青葉に返し、帝人はうんざりとした口調で言う。

「飽きちゃった」

「一日もちましたね」

「まぁね。でも絵柄の珍しさに慣れると展開は今のと変わらないから」

それでもポリゴン画像は一日、帝人の関心を釘付けにしたのだ。これは凄い。と思いながら青葉は内心ため息を吐いた。
帝人の関心を引き続けるには非日常を提供し続けるしかない。けれど最近ネタ切れ気味で…
レトロな物を連続で渡しても「またこういう系?青葉君。懐古趣味なの?」とか言われてしまうだけだろう。

「もう無い?」

「……」

青葉は焦っていた。
興味を引けるものがあれば帝人は自分の傍に居てくれる。
けれど何も無いのならば、あっさりと帝人は離れてしまう。
いや。
それどころか最悪な奴の傍に行ってしまう。

「無い…です」

「そう。じゃあ僕もう帰るね」

立ち上がった帝人の視界に自分が全く入っていないという事を知りながら青葉は叫んだ。

「どうして平和島静雄じゃないんですか!!?」

静雄を引き合いにだしたところに関心を抱いたのだろう。屋上の扉に手を掛けた帝人が振り返った。

「どうして平和島さんの名前が?アレかな。青葉君って狩沢さんと同じタイプの人?」

「違います」

振り返ってくれた事に安堵しながら青葉は言葉を続ける。

「平和島静雄なら帝人先輩の好きな非日常を体現してるんじゃないかと思って」

「ああ」

青葉の言葉を聞いた途端、帝人はつまらなさそうな顔をする。

「平和島さんがそういう人だと思えば、あの力も日常になるから」

飽きちゃったんだ。
そう言う帝人の傲慢な言葉に感動しながら青葉は完全に口を閉ざすしか無かった。
帝人の気を引く材料がもう見つからない。

「そんなに臨也さんのところに行って欲しくないんだね」

「…はいって答えたら行かないでくれますか?」

「行くよ。だって今のところ僕を退屈させないのはあの人だけだし」

にっこり笑顔で言い切り、屋上から去っていく帝人を青葉は唇を噛み、俯くしかできずに見送った。


♂♀


「と言う事があったんです」

ソファーに座り、臨也の肩に頭を乗せたまま帝人は放課後の出来事をクスクスと笑いながら話していた。

「へぇ青葉君も可哀想に」

可哀想などとは全く思っていない口調の臨也は帝人の柔らかい髪を撫で、微笑んでいる。

「いつまで続ける気だい?その「後輩煽りゲーム」は」

「そうですね……」

酷く楽しそうな顔をしながら帝人は青葉の泣きそうな顔を思い出す。
自分を異様に慕う後輩を煽って、地獄に叩き落としてまた持ち上げて。
癖になりそうだ。

「もう暫くは」

「あんまりあの子ばっかり構っていると妬いちゃうだけど」

「臨也さんが?」

「俺の元に帰ってくるって分かっていても、ね」

「スゴい自信ですね」

「そりゃあ君を満足させられるのは俺だけだろ?」

旋毛に唇を寄せる臨也の睦言を聞きながら帝人は微笑んだ。

先ほどの臨也の台詞は確かに的を射ている。
ありがちな嫉妬や焼き餅さえも非日常的な香り付けをしてしまう折原臨也という存在こそ、この世で一番愛しいと帝人は想っていた。
折原臨也は息をするだけでも帝人を感動させられるのだから


「臨也さん」

「ん?」

帝人の髪にキスの雨を降らせている臨也の生返事を聞きながら帝人は愛を紡いだ。

「愛してます」

唐突な告白に固まった臨也が可笑しくて帝人はクツクツと笑っていた。

――――――――――――――――――

臨帝←青
本当に臨帝ですか?
と聞きたくなるぐらいに帝人様が強すぎるです(笑)

帝人様は非日常を日常的に与えてくれる存在が好きみたいです


[2010/05/05.Up]

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あきゅろす。
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