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企画
捕まえてちょーだい。君にその気がない事は知ってるけど(臨帝)

「帝人君。誕生日おめでとう!!!」

校門を潜り抜けるなり掛けられた言葉とクラッカーの紙屑。

「…」

自分の頭やら肩やらに乗る紙テープを無造作に掴んだ帝人は校門の陰に隠れていた男に引きつった笑顔を向けた。
黒尽くめのソイツの不審者っぷりに下校中の来良生はなるべく距離をとって校門を抜けていく。
そんな不振人物はしてやったりとニヤニヤ笑って胡散臭さ大爆発だ。

「何するんですか」

何の感情も見せない冷静な文句に不審者、折原臨也は校門の陰からヒョコっと顔を覗かせた。

「誕生日を小粋に演出してみただけだよ」

あっさりと言い放たれた言葉に帝人は

「相変わらず残念な頭してますね」

やっぱり冷静にツッコミを入れていた。






ゴミに成り果てた紙テープを通学路にあるコンビニのゴミ箱に突っ込んだ帝人は自分の後ろ30cmの距離で付いてくる臨也を横目で確認する。

「ん?」

視線に気付いた臨也を忌々しいとでも言いたげに睨んでから帝人は溜め息を吐いた。

「なんでついてくるんですか」

「そりゃあ、面白いからさ」

意味不明だ。

「あーはいはい。そうですか」

意味不明なものを理解する事を全くせずに帝人は歩くスピードを僅かに上げる。

「帝人の早足って遅いよね。足の長さのせいかな」

喧嘩を売ってるとしか思えない臨也の発言の真意は分からない。
けれど帝人は構って欲しいから挑発している。と判断し完全無視を決め込む。

「帝人君」

暫く無言で歩き続ければ臨也は根負けしたらしく両手を降参と言わんばかりに上げた。

「帝人君」

それも無視して帝人はズンズン進む。
いつの間にか帝人のボロアパート前の薄暗いトンネルまで来ていた。

「帝人君ってば!!!!」

「なんなんですか」

迷惑そうに言う帝人だったが、やっと足を止めた事に臨也は満足そうな顔をする。
家まで乗り込まれたくないという帝人なりの拒絶も、臨也にとっては自分の声に応えてくれた証拠になる。

「誕生日を祝われた方って、祝った方の誕生日を祝うべきだよね」

「"べき"かどうかは微妙ですけど、ふつうはそうなんじゃないですか」

臨也の与太事に合わせて返事をした帝人は嫌そうに顔をしかめる。

「まさか、無理矢理祝うから後で何か寄越せとか言うんじゃないですよね」

「いやだなぁ〜」

ニタリと蛇の様な笑みを浮かべた臨也は大袈裟に腕を広げ、ミュージカルの主役が朗々と歌うかの様に言い放った。

「ちゃんと俺は帝人君にプレゼントしたじゃないか」

「は?」

鬱陶しく付きまとわれた記憶しかない。
しかもこの短時間で記憶を失う訳もない。
つまるところ、臨也から何かを貰ってはいない。
大雑把な三段論法で自分の置かれている状況を把握した帝人は導き出された答えを口に出した。

「妄想ですか?」

「違うって。ちゃんと俺は帝人君におめでとうって言いながらクラッカーの中身をあげたじゃない。いきなり捨てられてかなり傷ついたなぁ」

ただのゴミじゃないか!!!!
帝人の心の中の文句を聞きもせずに臨也は楽しそうに笑う。

「ああ。誕生日が楽しみだなぁ」

「………なにもあげませんから。物々交換にもならないじゃないですか。そもそも臨也さんの誕生日知りませんし」

「帝人君ったら俺から貰うだけ貰って逃げられると思ってるの?もし何もくれなかったら帝人君を貰うから」

紛れもない脅迫に帝人は苦笑いをする。
その日が来たら、適当なゴミを投げつけてやる。そんな事を思いな、肩を竦めた。

「じゃあ臨也さんの誕生日教えてくださいよ」

「調べて
俺がしたみたいに、この世界に溢れる無数の情報の中から俺の誕生日を捜し出してよ」

めんどくさいからパス。
そう言いかけた帝人は挑発的に臨也の笑みに笑い返した。

「仕方ないですね」

その挑戦、受けてあげてもいい。
帝人の楽しそうな笑みに臨也も益々嬉しそうな顔をした。
本気で遊べる相手を見つけた。そんな笑顔をお互いに浮かべているのはある部分で二人がとても似ているから。

「丁度良い退屈しのぎって奴ですね」

「そう。俺を追いかけてよ」


そうやって遊ぼう!!!


―――――――――――――――――
臨帝だと言い張ってみる
帝人様は覚醒してます

帝人様も臨也も情報を使っての頭脳戦がメインだし、こういう戯れ方もありかな、と
今回は臨也の誕生日がターゲットな穏便なお遊びですが、二人なら人間を駒に見立てた陣取りゲームも出来そうですwww




[2010/3/18 Up]

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あきゅろす。
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