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企画
世界を変えた人(父帝母(でも帝人居ない)
世界で一番愛しい存在はなんですか?

「息子に決まってるだろう」

躊躇もしないでそう返事をする夫にひとみは安堵した。
世界全てに興味が無かったこの人がやっと関心を抱く存在を得たのだと。

「そうね。私にとっても世界で一番は帝人よ」

「…………みー君はひとみにも渡さないからな」

「あらやだ。帝人は私の方が好きよ」

「む…」

拗ねた様に口を尖らせる竜也にひとみはコロコロと笑った。

「だって母親には勝てないわよ。お腹を痛めて産んだんだもの」

「それはそうだが…」

「貴方なんてなーんにもしなかったじゃない。病院の廊下をウロウロしていただけでしょ」

「し…仕方ないだろ!!!!」

顔を赤くして反論しようとする夫が愛しくて愛しくてひとみは柔らかく笑う。

帝人。
貴方は凄い事をしたのよ。
世界に飽きていたこの人をただの父親にしてしまったんだから








1X年前
埼玉県某病院の廊下

黒いスーツを着た男が廊下をウロウロしていた。
さして長くないその廊下の端から端へと飽きもせずにウロウロウロウロ。
そして時折足を止めると不安そうに一枚の扉を見つめ、また歩き出す。

「日本の出産死亡率は低いから大丈夫。そう落ち着け、俺」

ブツブツ言いながら扉の前の椅子に腰かける。眉間にくっきりと入った皺は今扉の中で行われている出産を案じているのだろう。

「率としては1000人中たったの4.7人じゃないか………どうしようその4.7に入ってしまったら」

自分を安心させる言葉でますます不安に陥るという負のスパイラルに呑み込まれた彼はイライラと貧乏揺すりをしながら祈る様に手を組み合わせる。

だが、居てもたってもいられなくなったのかすぐ立ち上がり、廊下をウロウロし始めた。

「大丈夫大丈夫。だってあのひとみだぞ。国士無双な女じゃないか。あれが死ぬなんてありえない…でも息子は…」

うあああああ
なんて言いながらしゃがみこんだ姿は情けないの一言である。


そして30分後

「あ…」

泣き声が

「聞こえる」

ちゃんと生まれた事を知らせる泣き声に彼はへなへなと尻餅をついた。

「生まれた…」

「ちょっと貴方ー!!!!早く来なさい!!!!!」

元気な妻の絶叫にフラフラと立ち上がった竜也は言われるがままに分娩室に足を踏み入れた。



――――――――――――――――

帝人誕生ー
とりあえず父帝を取り扱ってるのだし、こういうのもいいかな、と


パパの過去話も妄想する業深き脳味噌(笑)

ひとみさんに会う前まで世界に退屈して世界に飽きてたらいいなぁ〜と

帝人が非日常を望むのは日常に退屈して飽きてるからだと思うのです

だからパパも根底は同じで、でも非日常も昔のパパにとって退屈だった。みたいな

そんなパパでも子供の誕生にふつうの人みたく動転しちゃっぜ☆


うーん厨2ですねwww



[2010/3/17 Up]

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あきゅろす。
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