企画
決戦は14日:当日E車内
電車に乗った帝人は流れる景色をぼんやりと見ながら、これから会う六条の事を考えていた。
確かに先週は今日空いているとは言われた。けれど、いきなり押し掛けては迷惑じゃないだろうか。
やっぱり帰ろう。
でもせっかく此処まで来たのに…
グチャグチャと悩むうちに帝人は携帯を弄っていた。
『六条さん、今日会えますか』
そんなメールを送るとすぐに着信音が鳴り響く。
「はい。帝人です」
「よぉ。今どこにいんだ?」
「埼京線です」
帝人の返事に電話の先の六条が笑い出す。
「熱烈だな。迎えに行ってやるよ」
「いいんですか?」
「せっかく俺に会いに来たハニーを帰らせる男じゃねぇって」
「僕がいつ六条さんのハニーになったんですか…」
「先週」
ふざけたやりとりの後、降りる駅やら待ち合わせ場所やらを指示された帝人は通話の切れた携帯を嬉しそうに見つめる。
六条と話していると心が軽くなるのは何故だろう。
楽しくて仕方ない。
「帝人先輩」
けれど、帝人はすぐに現実に戻る羽目になる。
「青葉君…」
何故こんな場所であうのか。とかいう質問をするほど帝人は物わかりが悪い訳ではない。
「六条って六条千景の事ですよね。TO羅丸のリーダーの」
質問というよりも確認といった感じの言葉に帝人は頷いた。
「何考えてるんですか!!!」
「どうして青葉君がそんなに怒るの?」
電車から降りながら帝人はいささか不機嫌に訊ねた。
「どうしてって帝人先輩は俺たちのリーダーなんですよ!!!?」
「………リーダーのやる事に青葉君はいちいち口出しするんだね」
揚げ足を取り、帝人はさっさと構内を歩いてゆく。
いつまでもついてくる青葉をどうしたらいいんだろう。とか追い返す事を考えても答えは出てこない。
後ろからは青葉の文句ばかりが帝人の背中をうつ。
結局なにも思い付かなかった帝人は青葉と一緒に待ち合わせ場所についてしまった。
・話を聞く→P25へ
・ムリヤリ追い返す→P26へ
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電車内で携帯を使うのは止めましょう
[2010/2/14 Up]
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