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企画
決戦は14日:当日Dプラットホーム

改札を抜けた帝人は埼京線のホームに向かう。
埼玉へ向かう下り電車のホームは人が少なかった。上りは人でごった返しているのとは対象的すぎる。
東京に遊びに来る人間の方が多いのはまぁ仕方ない事だろう。

寂しい感じのホームのベンチに座った帝人は自販機で買った温かい紅茶をチビチビ飲みながら電車を待っていた。


〜♪


電車の到着を知らせる音楽を聞いた帝人は紅茶を一気に飲むと立ち上がり缶を捨てる。

そうこうするうちに、強い風を撒き散らし電車がホームに入ってきた。
電車は速度を徐々に落とし、止まる。

ちょうど帝人の目の前に来た扉が開く。
誰も降りてこないその扉の中はやはり人が少なめ。


帝人はその電車に乗ろうとしたのだが、その場から動けなかった。
あれだけ揉めたダラーズの創始者がノコノコ現れて無事に帰れるのだろうか。
六条さんの事だって自分は殆ど知らない。
女性には手をあげないらしいが、自分は女ではない。

万一の事だってあるではないか。
そんな危惧に帝人は動けなかったのだ。


ガクガクと足が震えて前に進む事ができない。
まるで下りの埼京線に乗る事がダラーズの領域から飛び出してしまう事の様な感覚さえ抱いてしまう。

けれど、先週出会った六条千景はいい人だった。
多分、青葉よりも遙かに…


葛藤で動けない帝人を放置したまま扉が閉まってゆく。
そして、その電車はゆるゆると進んでゆく。

それを見送るしか出来なかった帝人は、自分の余りにも酷い情けなさに泣き出しそうな顔を浮かべた。


・次の電車には乗る→P20へ
・家に帰ろう→P27へ

―――――――――――――
私は埼京線によく乗ってました(どうでもいい情報)



[2010/2/14 Up]

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あきゅろす。
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