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企画
決戦は14日:2/5夜(臨帝)
とっぶりと夜も更けた頃

「ただいま」

誰も居ない自宅に挨拶をしながら帝人は靴を脱いでゆく。
約1日、誰も居なかった部屋の空気は淀んでいて、そして冷たくそっけない。
一人暮らしをして初めて気付いたのは誰も居ない家っていうのがとても空虚なものだという事。

パチンと電気を点け、鞄を下ろそうとした帝人は
「お帰り〜」
なんて言ってくる不審人物を発見し固まった。

「え…ぇえっ!?」

無意味にキョロキョロと辺りを見回してもいつもと同じ自分の借りているアパートが見えるだけ。
なのに目の前の床の上に座っている人物は消えない。

「遅かったね。寄り道?」

「………何やってるんですか」

やっと平静を取り戻した帝人に侵入者、折原臨也はニコリと笑う。

「旦那様を待つ奥さんゴッコ」

バカだ
この人、物凄く頭悪いんだ。

酷い結論に達した帝人も臨也と同じ様にニコリと笑う。

「チョコ買ってたのを噂で流して何が楽しいんですか」

「んー?何の話かな」

しらばっくれる臨也。

「隠さなくていいですから。セルティさんに聞いたんです。妙な噂が流れてるって。そんなの流す暇人なんて臨也さんしか居ないじゃないですか」

「その信頼に応えたい所だけど、俺に何のメリットもないんだよ」

だって帝人君のチョコ。他の誰かに掠め盗られたら嫌だからね。
もし帝人が普通の女の子だったならば腰砕けになる様な甘い声で言ったものの、帝人は普通ではなかったし、そもそも男だったので完全にスルーされてしまう。

「メリットなくても面白そうならやっちゃうのが臨也さんですよね」

「酷いなぁ」

あはは。と二人は楽しそうに笑っているのに空気が寒いのは何故だろうか。

「そんな噂はともかく…帝人君」

「なんですか…」

「チョコ頂戴」

「嫌です」

「来週でいいからさ」

「ますますイヤになりました」

「……帝人君って往生際が悪いよね」

「お陰様で」

「俺は何もしてないよ」

「臨也さんは誰かと話すだけで対象の性格を悪くする特殊能力保持者ですから、臨也さんのせいです」

「凄い中2設定」

互いに笑顔なのだが、やはり薄ら寒い会話が続いてゆく。

「ねぇ帝人君」

ぐぃ。と帝人の腕を引き、自分の腕の中に閉じこめた臨也は、自分の胸に鼻をぶつけて痛そうにしている帝人をぎゅっと抱き締めた。

「何するんですか」

ぶつけたせいで赤くなった鼻を押さえながら文句を言う帝人が愛しくて、臨也は彼の旋毛に口づけを落とした。

「いい加減、俺のモノになってよ」

「嫌です」

帝人の耳の後ろをゆっくりと撫でながら臨也は囁く。

「人類を平等に愛さなくちゃいけない俺が帝人君だけ特別扱いなんだ。早くその愛を受け入れてよ」

「…クーリングオフしたいんですけど」

「残念ながら生物のクーリングオフはないんだ」

「燃えるゴミの日に捨てます」

睦言の様に罵られ、臨也は上機嫌に笑っていた。
自分の思い通りにならない存在がこんなにも愛しいなんて!!!
その事実を全世界に言いふらしたい程の高揚感。

一方、耳の後ろを擽られ続けている帝人は殊更に官能を呼び起こす様な臨也の指先に肌が粟立つのを感じていた。
悪寒とも違うこの感覚。

ヤバい
流される。


「帝人君」

甘く囁かれ、思わず臨也を見てしまったのが失敗だった。
余りにも優しい目をした臨也の顔をどんどん近付いてくる。


嗚呼…なんて最悪な展開。

かさついた男の唇が触れる感覚に帝人は眉間に皺を寄せた。
生温い舌が咥内に侵入してくる。

くちゅり
と互いの唾液が混ざる音に耳を塞ぎたくなるのに、手は臨也の服を掴んでしまって身動きが取れない。

一人きりの部屋に帰るのは寂しくて、
冷え切った部屋に居るのは悲しすぎて、
変態でも人の体温を感じられるのを嬉しいと錯覚してしまう心。


流されるな!!!!!


帝人は必死の想いで臨也に縋り付く手を引き剥がすと、鞄の中を探り、手にした小さいものを臨也の顔面に押し付けた。

「!!!!」

微妙に目に入ったのか臨也が仰け反り、抱きしめる力が緩んだ。
その隙をついた帝人は臨也の腕の中から逃走し、夜の町へと飛び出していった。


「いっつー…」

小さい四角い物を目の辺りに押し付けられた臨也は物理的な痛みにのたうち回るのを止めるとうっすらと目を開いた。
視界がぼやけているが帝人の部屋の天井が見える。

「やってくれる」

涙で潤んだ目を擦り、臨也は帝人の掛け布団に顔を寄せた。
帝人の香りを思い切り吸いながら、臨也は目の前に転がる物に目を見開いた。

ぼやけた視界が一気に鮮明な物になる。

「チ○ルチョコ…」

攻撃に使われた物だとしても嬉しくなってしまうのは自分が相当に帝人に参っているから。

「一週間後にもう一回欲しいなぁ」

――――――――――――――
臨帝です

完全に流されてエロに持ち込もうかと思いましたが止めました
とりあえず総受け話でウザヤさんだけエチィ事するのはズルいので(笑)
ベロチューはセーフという事でwww

それにしてもシズちゃんに比べて臨也は優遇されてるのは何故じゃ…?
いや、シズちゃんがオーバーヒートするのがいけないのですよ
このヘタレ!!(酷)

それにしても…
一人暮らしの寂しさに付け込むウザヤさん。このシチュなんか気に入りました
またこのパターン書くかもです

ともかくセルティから貰った武器はかなり使えるらしいです

何にせよ
キモ原ウザヤ様は相変わらずキモくてウザイですね←褒め言葉



[2010/2/7 Up]

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あきゅろす。
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