[携帯モード] [URL送信]

企画
決戦は14日:2/5朝(青→帝)
「ふわぁ〜」

朝。
通学路を一人で歩く帝人は眠そうに大欠伸をする。
少し前までは正臣と一緒に登校していたのだが、彼が姿を消してからというもの一人きり。

クダラナイ。クダラナさすぎる冗談が今ではとても懐かしい。
登校中、いつも思ってしまう。


「みっかどせんぱーい」

少し高めの少年の声に帝人は足を止め、振り返った。

「おはようございます!!!」

「おはよう、青葉君」

走ってきたのだろうか荒い息を必死に整えている青葉に合わせて帝人は歩調を緩める。
そんな些細な優しさに青葉が調子に乗るという事に未だ気付いていないらしい。

「青葉君ってこっち方面だっけ」

「そ、そうですよ」

実際には全くの正反対なのだが、青葉は如才なく答え、にっこりと笑う。

「朝から帝人先輩に会えるなんて嬉しいです」

「何それ」

笑いながら話し続ける二人。話題が尽きる事はない。
学校の事であったり、教師の噂話であったり、ダラーズの事であったり…
それが黒沼青葉が他のライバルよりも抜きん出た部分だった。
同世代故の優越。
青葉は自分の特性を理解していたからこそ、そこを最大限に有効活用して本題に入った。

「杏里先輩にチョコとかあげるんですか?」

「えっ!!?」

いささか強引な話題転換に帝人は疑問の声を上げるが、青葉は気にしない。

「そろそろバレンタインですし、逆チョコとか」

「そ…そんな事しないよ!!!」

できないし…
などと小声で呟く帝人に青葉は嬉しそうな顔をする。

「じゃあ先輩に俺が渡そうっかな」

「青葉君…」

ズルい。と言いたそうな恨めしげな目で見られ、青葉は声を上げて笑った。

「じゃあ帝人先輩にあげます!!!凄い大量の愛を込めて!!!」

仲の良い友人同士のふざけあいにも似た会話の中に真剣な想いを乗せて青葉は言う。

「だから先輩も俺にください」

「男からチョコ貰って何が楽しいの」

「えー先輩からくれるモノなら何でも嬉しいんです!!!」

信じてくださいー
とかふざけた口調で続ける青葉に帝人は苦笑する。

「分かったよ。何かあげるから」

「マジですか!!!!じゃあ14日楽しみにしてますから!!!」

両手をあげて喜ぶ青葉の子供臭い言動に帝人はクスリと笑った。

「早く学校行こう。遅刻するよ」

――――――――――――――

青→帝でございます
小動物キャラの青葉ならこういうアプローチもありかと
いつも頭オカシイ青葉しか書いてないので、今回ちょっと可愛くいってみました(笑)

次は誰と会わせようかなぁ





[2010/2/4 Up]

[*前へ][次へ#]

6/28ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!