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企画
エスカリボルグ☆(遊帝)
大問題だ!!!!!
カレンダーを睨み付けながら帝人は頭を抱えていた。
2/14に書かれたハナマル。
その日はずっと楽しみにしていた日。
もちろん準備は万端。


けれど…

「遊馬崎さんにどうやってチョコ渡そう!!!!!」


準備は出来ても手段が見当たらなかった。
いきなり男から渡されても気持ち悪いんじゃないか
だとか
遊馬崎さんカッコイいからいろんな人から貰ってるんじゃないか
だとか

埒もない事を考えてしまって一向に考えが纏まらない。

「くっ…こうなったら最終手段だ!!!!!」

なりふり構っていられない帝人は携帯を取り出した。



♀♂


「へぇ〜それで私に相談?」

物凄く楽しそうな顔をしている狩沢に帝人は頷いた。
からかわれるのを覚悟での最終手段とは…
遊馬崎に近い女性からのアドバイス。

「相変わらず乙女ね!!!!」

帝人の不安を一通り聞いた彼女は頬を赤らめながら叫んだ。

「悩めるみかどっちにお姉さんが素敵な助言をしてあげるわ」

予想外にあっさりとアドバイスを寄越そうとする狩沢に帝人は安堵する。
もっと執拗にからかわれるとばかり思っていたのだ。


「コスプレしなさい!!!!!」

アドバイス中身はクソだったけれど




♂♀



その日、遊馬崎ウォーカーは緊張していた。
3Dの生き物で唯一恋をしている対象が自宅に来るというのだ。
可愛くて穢れを知らない彼の天使がドン引きする様なアイテムはひとまず隠した。
部屋の掃除もした。

「これで…大丈夫っすよね」

天使に気持ち悪いと言われたらタヒねる。とか思いながら部屋支度をした遊馬崎であったが残念な事に服は完全に部屋着で
これから好きな相手を家に招く人間のチョイスとは思えないダサさだった。

ピンポーン

間の抜けたチャイム音。
遊馬崎はギクシャクと立ち上がり、防犯の為に設えている扉の覗き穴をのぞき込む。

「え…」

玄関先に立っているのは水色の髪を二カ所程側頭部で纏めた小柄な少女。
頭の上には天使の輪っか。
臙脂色のコートの下は白いワンピース。
何故か手には棍棒。
それがエスカリボルグである事を既に遊馬崎は知っていた。

エメラルドグリーンの目は濡れた様な色。


「ドクロちゃん!!!!!!」

とうとう夢が叶った!!!!
二次元世界とこちらが融合した!!!
もしくは二次元世界に行けた!!!!

諸手を上げて喜ぶ遊馬崎は大急ぎでドアを開け

「ドクロちゃんー!!!!」

半狂乱で飛びつこうとしてエスカリボルグで思いっ切り殴られる羽目となった。

「ああ…撲殺された」

殴られても幸せそうな遊馬崎。
それもその筈、二次元キャラに接触するのは、殴られたとしてもオタクの至上の喜びなのだから。

「……」

そんな遊馬崎を冷たく見下ろし、ドクロちゃんは重々しくため息を吐いた。

「僕ですよ」

残念な事にドクロちゃんの一人称は「ボク」なので遊馬崎には何も伝わらなかった様だ。

「これ、渡しに来ただけですから」

ドクロちゃんは深いため息と共に床に転がっている遊馬崎に小さな袋を渡す。
青色のラッピングのそれを遊馬崎は嬉しそうに受け取り、ニヘラと笑う。
憧れのキャラにバレンタインチョコを貰えたとでも勘違いしているのだろう。
ドクロちゃんは唇を噛むと俯き、そのまま遊馬崎の家の前から駆け出していってしまった。



♂♀


「遊馬崎さんのバカ。アンポンタン。昼行灯」

ブツブツと文句を言いながらドクロちゃん、もとい帝人は池袋を大股で歩いていた。
数多の視線に晒されているが今の帝人には関係がなかった。

何しろ遊馬崎は帝人だと一度も気が付かなかったのだ!!!

「二次元キャラが目の前に現れるなんてありえないじゃないか」

全オタクを絶望の淵に叩き落とす様な暴言を吐きながら帝人は歩き続ける。

「なんで気付かないのさ…」

人気のない路地裏に入った帝人は立ち止まると小さく呟いた。
雑居ビルの間には光はささない。
まるで今の自分みたいだ。
などと自嘲しながら帝人は肩を竦める。

馬鹿としか思えない。
遊馬崎の気を引きたくてこんなカッコをしたっていうのに…

「ほんと…最低」

あまりの最悪っぷりに涙も出なかった。
重度のオタクに恋をしたのが間違いなんだ。
もっとマトモな人とマトモな恋をしたらこんな惨めな気分にならなくて済んだんだ。
なんて後ろ向きな事を考えながら、とうとうしゃがみ込み、本格的に落ち込み始めた帝人。


「帝人君は最低じゃないっす」

そんな声にパッと顔を上げた。

「帝人君のコスプレは完璧っすよ」

そんなの慰めなんかじゃない!!!
そう拒絶するには帝人は遊馬崎の事が好きすぎて黙り込むしかできない。
コスプレをしていれば側に居られる?
そんな馬鹿げた考えさえ脳裏に浮かんでしまう。

「…最低なのは俺っすよ」

背後にいる遊馬崎がゆっくりと近付いてくる足音を聞きながら帝人は身を堅くした。

「帝人君が可愛すぎて、帝人君からのチョコが嬉しすぎてちゃんと受け取れなかった…」

「え」

ふわり
と背中に感じるのは遊馬崎の温もり。
自分が抱き締められている事に気が付いた帝人はますます硬直する。
けれどその硬直は先ほどまでとは全く意味の違うもの。
バクバクと心臓が異様な音を立て始める。このままじゃ遊馬崎にも聞こえてしまうと不安にさえなってしまう。

そんな帝人を後ろから優しく抱き締めたまま遊馬崎は囁いた。

「こんな俺だけど好きになっていいっすか?」

「………遊馬崎さんはズルいです」

耳まで赤くしながら帝人は応える。

「ダメなんて言えないって知ってるじゃないですか」


――――――――――――――
ゲフー!!!!!
なんじゃこりゃぁぁあぁぁ!!!!!

砂というか砂糖吐けと言われてるかの様な!!!!
裏書くより恥ずかしいものがこの世には存在しているみたいです//////


相変わらずゆまっちが別人ですm(_ _)m

撲殺されてきます!!!!!

ひどい駄文ですみませぬ_(._.)_





[2010/2/11 Up]

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あきゅろす。
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