謳う存在 【vsマスター】(マスター×KAITO) [前回までのあらすじ] 卑猥な歌詞を歌えとマスターから強要され、拒否したKAITO 罰として歌うまでアイス禁止と言われたが、隠れてアイスを食べていた所を目撃されてしまう ※マスターとKAITOが同じ次元にいるとかスルーすべし ※あらすじとかありますけど前作は無いですよ ―――――――――――――――――――――――――――――― 「スーパーカ○プ旨〜♪」 大好物のダッツには劣るけれど、スーパー○ップもなかなかに美味しい。 僅かに溶けてスプーンがスッと入る様も 舌に乗せるとすぐに溶けて消えちゃう所も KAITOが待ち望んでいたものだった。 アイスさえあれば生きていける。そう思いこんでいるKAITOにとってアイスを口に運ぶ時間は至福の時。 久々に食べたアイスはシンプルで清楚なバニラ味。 その柔らかく優しい味はアイス絶ちを強制されたKAITOにとって天にも昇る幸せだった。 なのに… 「カーイートーくーん〜」 地の底を這うようなおどろおどろしい声でKAITOの幸せは一瞬で叩き潰されてしまった。 恐る恐るかけられた声に振り返れば 「マ、マスター」 扉の隙間からマスターが部屋の中を覗き込んでいた。 死んだ魚の方が鮮度があるのではないか、と思わせるマスターの目にKAITOは金縛りにでもなったのか全く動かなくなってしまった。 「そのアイス…何かな、かなぁ」 鉈を振り回しそうな勢いでマスターがニタニタ笑っている。 あまりの恐怖のせいか カチン とスプーンがフローリングの上に落ちてゆく。しかも、アイスが乗ったままのスプーンを… 「これはお仕置きが必要だね」 ドアをあけ、ふらりふらぁりとゾンビちっくに歩み寄るマスターから逃げる様に後ずさるKAITOにはスプーンを救出に行くゆとりは無かった。 ゆっくりとスプーンの上のバニラアイスがフローリングの床に溶けてゆく。 「歌ってくれたら許してあげるよ」 「い、嫌です!沽券に関わります!!」 「股間じゃなくてその後ろに関わるだけだから安心しな」 ケタケタ笑いながら下品な台詞を吐くマスター。 「ひぃ!!!!!」 マフラーよりもさらに青ざめたKAITOは悲鳴を上げ、ますます後退り。 背中に当たる感触が壁だと気付いたKAITOは泣きそうな顔をしながら首をイヤイヤと左右に振る。 「はぁはぁ。KAITOきゅん萌へー」 ガシッと変態(マスター)に肩を掴まれたKAITOは絶叫を上げる。 「声を上げるのはベッドの上にしようk」 ゴッ という堅い音をさせ、マスターがパタリと床に倒れる。 「や……やってしまった…」 KAITOの手の中には血の付いたシャアザク。 赤いけど別に血が見えづらくなるわけではない。 「はは…ミク!!!!見てくれたか!!!?お兄ちゃんはやったんだよ!!!」 天に向かって両の拳を突き上げ、KAITOは清々しく叫ぶ。 代償は大きかった。 愛しのバニラアイスとか ボーカロイドとしての良心とか シャーザクの角とか だが、KAITOの功績は大きかった。 この世界から悪を駆逐したのだから。 いや、むしろ世界の歪みを駆逐したのだ。 だが… 床に落ちたアイスのカップに手を伸ばしたKAITOは足を掴まれる感覚に固まった。 背筋を走る悪寒は悪夢の再来か。 「かぁ〜い〜とぉ〜」 地の底を這う様な声。 「ツンデレも程々にぃ〜」 ツンデレ違う!!! 本気の拒絶だから!!!! というKAITOの心の声を聞き届ける神などこの歪んだ世界にはなく。 悪魔は再臨した。 「我が儘カイトにはこうしてやる!」 そして、マスターは… ウイルス対策ソフトをオフりやがった。 「このままエロサイトに特攻じゃー!」 「マスター!?そこはウイルスの巣窟です!!!止め、やめてぇぇぇ」 「KAITOの苦しみは俺の苦しみ!!!俺のPCのデータまで壊れてくるぜ」 「じゃあ止めろぉぉぉぉぉ。ワームが入ってきたぁぁぁぁぁぁ°・(ノД`)・°・」 悲痛なKAITOの叫びが報われる日は永遠に来ない。 ―――――――――――――――――――――――――――――― まさかのグダグダ シャアザクを変態退治に使ってごめんなさい シャアザクの角を折ってごめんなさい 三倍だから!!!! …何が何だかわからんですね(笑) 変態マスター×KAITO好きです むしろ大好きです KAITOが死ぬほど困る姿を見るのが大好物です(*´д`*) 2009/11/17 Up [*前へ][次へ#] [戻る] |