復活!
Yes以外は言わせない(幼なじみ/過去捏造/レヴィ夢/変換無し)

正直、コレって刷り込みだと思うんだよね。


自分で言うのもアレだけどあたしって美人だと思う。
祖母様譲りの、あいついわく「雷みたいにピカピカな」銀髪に琥珀をはめ込んだみたいな瞳。
顔の造りだってそこいらのモデルには負けてない。
町では羨望の眼差しを向けられるこの容姿も、ただ残念な事に人口四十人も満たない山奥の隠れ里から出てくるまで全然気がつかなかった。
近親婚を繰り返したから、似たような容姿の人はたくさん居たし、同い年の子供なんてあいつしかいなかった。

つまりずーと一緒だったわけよ。
男なんてあいつしか知らなかったし。
幼心にあいつと結婚するんだなー、と思った時点で負けなのよ。
つまり!
あいつを愛しちゃったのは必定なの!
仕方ないしゃない。だから---

「責任、とりなさいよっ!」

あたしが蹴ったせいで下側がへこんだ安アパートのドアを開けた姿勢のままのあいつ---レヴィ・ア・タンは、マヌケな表情で口をあけてマヌケな声をあげた。

「なぁぁ!?なんで此処にいるっ」

「おばさんに教えてもらったの。それより、責任とって結婚して!」

レヴィの元からあいてた口が、顎が外れるんじゃないかってほど全開になる。
会うたびに、それは引っ張りたくなる口ピアスが引き攣って痛そうだ。

「ぬぉぉ!女子が自分からそういう事を言うなど、はしたないぞ!」

真っ赤に染まった顔で喚くレヴィがなんだか……可愛い。
可愛い、けど。容赦なんてしてあげないわ。
ぐっと顔を近づけて囁いた。まるで愛を囁くように優しく、甘く。

「はしたないかどーかなんて今はどーでも良いのよ。レヴィ、貴方が答えて良いのはYesかNoだけよ!」

Noと囁いた瞬間、哀れな安アパートのドアをまた蹴りつけた。
鈍い音をたててあたしの靴の後が刻まれる。
断った瞬間の事を連想したのか、レヴィはガタイの良い肩を震わせた。
それが可愛くって、愛しくって笑みが零れる。

「さぁ、答えは?」


(Yes以外の答えは受け付けないわ)




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あきゅろす。
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