マネジのお姫様 25.送別会〈8〉 「うぉらぁぁぁああっ!!」 財前「うぉぉおおっ!?」 ガシッ 財前「!!」 ドテッ 財前&真央「「いてっ」」 「はぁ…っ!はぁっ…!や、やっと捕まえた…」 財前「お前ほんま…どないな脚力しとんねん…っ」 「ほら…っ!もう逃げられへんで!ちゃんと理由を言い!」 財前「………」 「光っ!」 財前「…嘘ついたんはお前やろ…」 「は?」 財前「一緒におる言うたんはお前や、せやけど守れなくなったんやろ。引っ越すんやから」 「!! な、何で知って…!?まだ光には言うてないやろ!」 財前「白石部長と話してるときにたまたま聞いた。部室で」 「!」 あの時…! やっぱり誰かおったんは気のせいやなかったんか…! 「…それでずっと避けとったんか…?」 財前「………」 「…あんなぁ!」 謙也「お、おい…お取り込み中のとこ悪いんやけど…」 「はい!?」 一氏「廊下のど真ん中で押し倒すんはどうかと思うで」 真央&財前「「……あ」」 よ、よう見たら周りからめっちゃ変な目で見られとる…! そらそうや、女が男のことを廊下のど真ん中で押し倒しとるんやから 謙也「とりあえず部室行こーや」 「そ、そうですね…」 財前「おい、お前いつ引っ越すんや」 「明日やけど」 財前「…はっ!?明日!?おまっ…もっと早よ言えや!」 「ほんまはもっと早よ言おうと思うたけど光がひたすら逃げまくっとったんやろ!」 財前「………」 一氏「ほら行くでー」 ガチャッ パァァンッ 「「「!?」」」 な、何や!? 何が爆発したんや!? …クラッカー…? 「「「お帰りー!」」」 「…へ?」 白石「何や、謙也とユウジもおるやないか。どこ行っとったんや」 謙也「し、白石!何やコレ!聞いてへんぞ!」 白石「そらそーや。昨日緊急で企画されたもんやからな。2人ともきゅうり買いに行ってしもたし」 一氏「あんときかぁぁあ!」 小春「みんなで真央ちゃんの送別会やろって!明るく送り出そ言うてね〜。ほんまは光ちゃんがいてくれたら完璧やったんやけど…って光ちゃんおるやん!」 「さっき捕まえてきました!」 石田「ようやっと来たな」 財前「…ご迷惑おかけしました…」 白石「ほんまや、心配したで〜」 財前「…心配したんですか」 白石「当たり前やろ!可愛くないなぁ。財前くんは」 「素直やないですからね〜」 小春「ほんま良かったわぁ〜、捕まえて来れたっちゅーことはやっぱり原因はきゅうりだったん?」 財前「ちゃいます」 小春「…よねぇ〜」 小石川「明日東京行くんやろ?盛大に送り出さなな」 「うぅ〜…!皆さんほんまありがとうございますぅ〜!あたしなんかのために…っ」 謙也「あっ!健二が真央のこと泣かした!」 一氏「女泣かすなや!」 小石川「えぇ!?」 「今日はほんまありがとうございました!一生忘れませんっ」 小春「ほんまにこれでお別れなんやねぇ〜…寂しいわぁ」 一氏「何言うてんねや!同じ日本やろ、いつでも会えるで!」 白石「明日も最後まで送り出したいんやけど…学校あるからなぁ…」 「いえいえ!そこまでしてもらわんでも大丈夫ですよ!」 謙也「真央、東京行って暇あったら伊達眼鏡の胡散臭い男捜してみ。俺の従兄弟や」 「でた、謙也先輩の従兄弟さん…。嫌ですよ、そんな会ったこともあらへんのに最悪な印象になっとる人を捜すやなんて…」 謙也「…まあ、おもろい奴や。会えたらってことで」 「はい!じゃあ行きますね」 小春「あぁんっ!真央ちゃあぁあんっ!寂しいわぁあ!」 「こ、小春先輩…っ!うぅ…!夏休みとか!絶対遊びに来ますからねっ!ちゃんと構ってくださいねっ」 謙也「当然や!…ぐすっ」 財前「…帰るで」 「うん…っ!じゃあみなさん!またいつかっ」 一氏「おぉう…!絶対来いや!」 謙也「…行ってしもた…」 一氏「嵐のような奴やったからなぁ…明日から静かになりそうや…」 小春「寂しいわねぇ…」 一氏「浮気か…謙也、そんなに泣くなや…」 謙也「なっ…泣いてへんわ!お前こそ目ぇ真っ赤やぞっ!」 一氏「こ、これは…大量に目にゴミが入っただけや!」 小春「ユウくん嘘下手すぎやわ…」 石田「そう言えば白石は?」 小石川「アイツならあそこにおるやろ。ほら、もう送別会の後片付けしとるで」 謙也「あぁ…さすが聖書やなぁ。後片付けまで完璧にこなしとるわ…」 小春「ごめんなさいね蔵リン、あたしたちもすぐ手伝うわ」 白石「いや、ええよ。もうちょい休んでても」 一氏「かぁ〜!たかがマネージャー1人がいなくなったところで、どうもせんっちゅーことか。クールな男やなぁ、謙也を見てみぃ!こんなボロボロやで!」 謙也「うっさいわ!お前もやろ!」 小春「みんなそうやわぁ」 一氏「完璧を貫くんは白石だけかぁ…」 白石「ははっ、何言うとんねん…」 謙也「………白石?」 白石「うん?何や」 謙也「お前ちょおこっち向いてみ」 白石「………」 謙也「……おま」 一氏「何やねーんっ!お前かて泣いとるやないかー!」 白石「なっ、泣いてへんっ!め、目頭が熱くなっとるだけや!」 一氏「それを泣いとるっちゅーねんっ!そらそーやな、好きな女が引っ越したら寂しいに決まっとるよな!謙也もボロボロやし!」 白石&謙也「「なっ…///」」 小石川「お、お前らそうやったんか!?」 小春「知らへんのはケン坊だけや☆」 白石&謙也「「えっ!?///」」 一氏「大好きオーラめっちゃでとるで!もうバレバレなくらいに」 謙也「うわあぁぁあ!それ以上喋んなやぁぁあ!///」 石田「違う意味で涙目になっとるぞ、謙也…」 「はぁ〜…」 財前「何や、寂しいんか」 「もちろんそれもあるけど…なんや幸せもんやなぁって思うて」 財前「お前が?」 「そ。せやって送別会開いてくれて、さらにあない寂しがってくれたんやで?幸せ以外の何でもないわ」 財前「せやなぁ…まあ、そんだけお前が周りに幸せ振りまいてたんと違うの」 「へ?」 財前「自分がしたぶん返ってくる言うやろ」 「…なんや光がロマンチックなこと言うてる…!に、似合わんから止めたほうがええで…」 財前「うっさいわっ!///」 「ふふっ、今までありがとうな光」 財前「な、何や改まりよって…」 「いや…光にはキチンとお礼言うとかなと思うてなー。めっちゃお世話になったし」 財前「…別に」 「じゃあ、またな!休みになったらちゃんと遊びにくるで!そんときは家に泊めてや。じゃあ」 財前「ま、待ちや…!」 ガシッ 「ん?どないしたん、光」 財前「ち…」 「?」 財前「ちょい俺の部屋に来ぃ!」 「えっ!?ちょっ…えぇ!?」 な、何なん突然… [*前へ][次へ#] [戻る] |