マネジのお姫様
8.わらしべ長者〈6〉
仁王「おっ、俺も昇格じゃ」
「へぇ!仁王先輩も!」
丸井「昇格ブームだな…って、おいっ!ふざけんな!フリーターが何に昇格すんだよ!コンビニ店員か!?」
「あ…ああ!そうだ!仁王先輩フリーターじゃないですか!ちょっ…手に何の職業カード持ってんですかっ」
切原「見せてもらいますよー!」
バシッ
仁王「やれやれ…乱暴な奴じゃのう」
切原「さて、何の職業カードなんだ…?」
「「「………」」」
「「「って、えぇぇえっ!?」」」
丸井「何で部長になってんだよ!」
「一瞬でフリーターが部長になれるわけないじゃないですかっ」
切原「そうっすよ!立海の部長は幸村部長だけっす!」
真央&丸井「「その部長じゃねーよ」」
「せめてサラリーマンでしょう!?何段階すっ飛ばしてんですか!」
仁王「飛び級じゃ」
丸井「んなもんねぇだろぃ!社会なめんな!」
仁王「お前さんらは『わらしべ長者』の話を知らんのか?」
「わらしべ長者の主人公だって最初はわら→みかんでしたよ!そんな図々しい奴見たら、仏様もガッカリです!わら→部長の座とかありえませんから!わらを持った見ず知らずの男にいきなり部長を譲るなんてその会社速攻倒産しますよ!前部長馬鹿なの!?」
丸井「わら1本で部長になろうとか図々しいにもほどがあるだろぃ!」
仁王「そうかのう…社長じゃないだけ謙虚だと思うぜよ」
「「「どこが!?」」」
柳生「とにかくっ!このカードは没収します!」
仁王「あー。リストラじゃー、最近不景気じゃからのー」
「リストラすらもしてもらえる立場じゃないですからっ」
丸井「そうだぜこの詐欺師め!」
仁王「次はもっと上を狙うぜよ」
「またやる気ですか!?」
柳生「次すすみますよ!…あ、私は本当に部長に昇格しました」
仁王「嘘はよくないぜよ」
柳生「アナタと一緒にしないでください!」
仁王「本当の仁王くんはあっちです!」
「「「ええぇぇっ!?」」」
「じ、じゃあこっちが本当の柳生先輩!?」
切原「いつの間に入れ替わってたんスか!」
柳生「ちっ…違います!入れ替わっていませんっ」
「さっきっからひっどいことしてたのも全部柳生先輩…?」
柳生「違いますってば!仁王くん!変なイタズラはやめなさい!」
仁王「仁王くん!何を言ってるんですか!アナタこそ早くその変装をときなさい!」
柳生「仁王くん!」
丸井「ど…どっちなんだよ…」
ジャッカル「この2人じゃ見分けがつかねぇな…」
切原「どっちかが仁王先輩でどっちかが柳生先輩なんスよね…」
柳「当たり前だ」
丸井「第三者がいてたまるかよ!」
「じゃあ…この間あたしのおやつとったのも部室の隅でエロ本読んでたのも、いやらしくあたしのお尻触ってきたのも全部柳生先輩じゃなくて仁王先輩なんですね…!」
「「「!?」」」
仁王「それは柳生じゃ」
「「「お前が仁王かあぁぁあ!」」」
丸井「つーかお前柳生にそんなことされたのかよぃ!?」
幸村「ふふ…真央にそんなことしといて生きていられると思ってないよね…?」
柳生「なっ…し、してませんよ!!」
「はい。されてません」
「「「はぁ!?」」」
「仁王先輩を見分けるための嘘ですよー。そんなこと柳生先輩がするわけないじゃないですかぁ〜」
切原「そ…そうだよな!柳生先輩がそんなことするわけないッスよね!」
幸村「俺はお前のこと信じていたよ」
丸井「お、俺だって!」
柳生「…みなさん殺気立ってましたけどね…」
切原「ほらっ、やりましょやりましょ!」
「てか皆さん今どのくらい所持金あるんですか?」
柳「100000円と少しというところだな」
ジャッカル「俺らも」
幸村「俺らは200000円オーバーだよ」
切原&真央「「何でそんなに!?」」
幸村「何故だろうね?」
「…はっ!そういえば……うわっ!絶対そうだ…!」
切原「な…何だよ…」
「幸村先輩がルーレットを回したときは一度も払うマスにとまってないんだよ!むしろマスを進めるか、もらうかのどっちか!」
切原「そ…そういえば!」
丸井「マジかよぃ…」
幸村「偶然だよ」
「「「(神の御加護か…!?)」」」
切原「ズルいっすよー!真田副部長もいるのに!」
「そういえば真田先輩さっきっから全然しゃべってませんね?」
丸井「そういや静かだな」
仁王「そっちのほうがええがのう」
柳「弦一郎なら寝ている」
「いつの間に!?」
真田「ZZZ…」
「あっ、本当だ!」
幸村「真田は朝が早いからね。夜遅くまで起きていられないんだ」
「そうなんですかー。…えっ!?夜遅くって…今何時!?」
切原「もうすぐ11時だけど」
「ええぇぇっ!?ちょっ…もっと早く言ってよ!か、帰れなくなっちゃう…!」
柳「この時間から外をうろつけば補導されるぞ」
「でも!電車なくなっちゃいますよ…!」
幸村「泊まっていけばいいよ」
「はっ!?」
柳生「な…何を言ってるんですか!」
「そ、そうですよ!それに親にも連絡してないのに…!」
幸村「それは大丈夫だよ。俺がしといたから」
「何で!?つかどうやって!?」
幸村「普通に真央携帯でだよ?真央のお母さんがでたけど」
「あっ!?いつの間に!な、何て言ったんですか!?」
幸村「“娘さんは朝帰りします”って」
「それ誤解生むから!朝帰りとか単語からしてダメでしょ!お母さん怒ってませんでした!?」
幸村「いや?娘をよろしくって言っていたよ」
母親ぁぁあっ!!
知らん男から電話があってその対応はダメだろぉぉお!
まあ…大方声からしてイケメンと思ったんだろう…
あってるけどね!
幸村「ってことで、お泊まり決定!」
「ええぇぇえっ!?ちょっ…無理です無理です無理ですーっ!!」
〜おまけ〜
幸村「さあ、俺の家に行こうか」
「えっ、幸村先輩の家に行くんですか!?」
柳生「そ、それはいけませんよ!」
丸井「幸村くんは何か危ない気がするぜ…」
幸村「何でかな?お前たちは俺が何かいやらしいことを真央にするとでも思っているのかい?」
丸井「そ、それは…っ///」
幸村「ふふっ、あってるけどね」
「えぇっ!?」
幸村「理性がもったら大丈夫だろうけど、自信ないなぁ」
ちょっ…えぇ!?
何の前言しちゃってるんですかっ!?
幸村「まあ、真央が鼻眼鏡かけてすまき状態でよだれだあだあで寝てたら無事だと思うけどね」
「うん、そら十分羞恥プレイだ」
でもいつか身を守るために役にたつかもしんないから一応メモっとこ…
切原「俺ん家来るか?」
「余計に無理だわ!」
仁王「俺のとこでもいいぜよ」
「一番危ないですっ!じゃあ…ジャッカル先輩の家にお邪魔します」
ジャッカル「俺かよっ!?」
丸井「あー?ジャッカルん家はやめたほうがいいぜ。コイツん家トイレだから」
「トイレ!?」
ジャッカル「そんな狭くねぇよ!俺の親父に謝れ!」
仁王「俺の家に来んしゃい」
「だから一番ダメだって言ってるじゃ…って、うわあぁぁあ!?何で運ばれてんの!?お、おろして…っ///」
柳生「やめなさい仁王くん!」
柳「何でもいいがあまりうるさくするべきではない。ここは弦一郎の家だ」
丸井「じゃあ俺ん家か」
幸村「丸井の家は弟くんたちがいるだろう?そこに7人も入らないよ」
丸井「え。真央だけじゃないのかよぃ!?」
「全員でお泊まりなんですか!?」
幸村「最低俺と真央の2人かな」
あ。
幸村先輩はあたしといるの決定なんだ…
仁王「そんな広い家は幸村の家しかないぜよ」
幸村「真央以外は朝起きたら変なことになってても知らないよ?」
丸井「うわっ、びっくりするぐらい歓迎されてねぇ!」
この後もめすぎて真田家道場でみんな力つきてしまったことは言うまでもない…
みんな真央にべったりくっつきながら。
(朝)
真田「な…っ、何だコレはァァァアァアっ!?」
「(あ…暑い…)」
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