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マネジのお姫様
11.ガクガク×2(後)

「…次のアトラクションって…コレ…?」


次にあたしたちが向かったんは暗〜い怖〜いアレ。


財前「せや」


…お化け屋敷かい…っ
こういうんほんま無理やわ…
何でわざわざ恐怖に飛び込むんか訳わからん!


「こ、これは別にええんとちゃう?アトラクションって感じせえへんやん」

謙也「せ…せやで!もっと楽しいのに乗ろうや!」


認めます。
あたしと謙也先輩はビビりです。(ついでに先輩はヘタレらしいです)
せやからなるべく入りとうないんや!


小春「あら?アトラクション全制覇なんやないの?」

真央&謙也「「ぐっ…」」

財前「そうや。ほら行くで」

「…気持ち悪いくらい積極的やな光…。ほんま昔っからホラーとか好きやんなぁ」

白石「だから財前にしては珍しくこんなに入りたがっとるんか」


せや…だからこんなすさんだ少年に…


財前「うっさいわアホ」

「うわっ!ご、ごめんなさいごめんなさい!」


不敵な笑みを浮かべながら引きずり込まんといてーっ!!






「…あかん。何が楽しいんか全然わからへん…」

財前「楽しいやん」

「なんやキラキラしとんなぁ光…」

謙也「こ、こんなん全部つくりもんやん!何が怖いんや…!」

白石「…ビビっとんなぁ」

「う゛〜っ!やっぱり無理や!出る!リタイアする!」

財前「できるかい」

「リタイアもできへんの!?こんなんもう生き地獄やんか!閉じ込められたぁぁあ!」

一氏「うっさい!今小春とラブラブしとんのやから静かにしぃや!ムードが台無しや!」

白石「真央ちゃん、俺の手ぇ握っとき?少しは怖くなくなるかもしれへん」

「蔵先輩〜」


ぎゅっ


財前「…別にええっすわ。俺がいるんで」


ぎゅっ


「えっ!?」


いや、2人で握らなくても…
完全に両親に挟まれる子供やん…


謙也「お、俺とも握っとけや!」

「あたし手ぇ3本もありません。しかもガクガクしとる者同士が手ぇ握ってもガクガク×2になるだけですよ」

一氏「おい謙也!それは俺の手や!握るんやない!握ってええのは小春だけや!」

財前「………」


ぐいっ


「…えっ!?」

謙也「(暗闇やし…真央と手ぇ握ってもええよな…)」


ぎゅっ


白石「大丈夫や。怖ないで」

小春「ユウく〜ん!怖い〜」

一氏「小春は俺が守ったる!!」

謙也「ほら真央!出口やで!」

小春「ユウくぅ〜ん!怖かったぁ〜」

謙也「真央、お疲れさ…」

白石「お疲れさん、謙也」

謙也「…!? な、何で白石になっとんねん!?」

白石「元から俺やで?」

謙也「何で言わへんのや!言えや!」

白石「普通手の大きさでわかるやろ?せやけど謙也、全然気づかへんからよっぽど怖いんやと思うて…」

謙也「いらん!その優しさいらん!」

小春「なら真央ちゃんはどこ行ったんかしら…?」

一氏「財前もおらんで?」

白石&謙也「「何やて!?」」








「光…先に出てきてよかったん?」

財前「暗いし、何も問題ないやろ。あんなとこおったら何されるかわからんし。とくに謙也さん」

「ちゅーか何で先に出てきたん?」

財前「…別にええやろ」

「何の意味もないの!?」

財前「………。(そんなわけないやろ…)」

「なら戻ろうや」

ガシッ


「…?光?」


何なん?
急に腕掴んで…


財前「なあ、次のアトラクション一緒に乗らん?」

「…へ?」

財前「俺ら今日2人で乗れてへんやん」


…言われてみれば確かに…
10種類以上2人乗りのアトラクションに乗っとるけど、光とは一緒になっとらん。
逆に奇跡とちゃう!?
ジャンケンてスゴいなぁ…


「ええけど…次のってもう時間的に観覧車しかないで?」

財前「ええやんそれで。十分や」

「そう?ならええよ」


…あ。もうこんな時間…
そろそろほんまに戻らなあかんのとちゃう?


財前「………」

「光、もう戻らな。先輩たち心配するで」

財前「なあ」

「なに?」

財前「今度2人で遊園地に来ん?やっぱ観覧車だけや無理」

「…行く」

財前「忘れんなや」

「何やねん、その上から目線」

白石&謙也「「財前ーーっっ!!」」

「あ、先輩ら!」

財前「…何スか」

謙也「何スかやないわ!なに抜け駆けしとんねん!」

白石「真央ちゃん何もされてへん!?」

「は、はい」

財前「何なんスか、人聞きの悪い」

謙也「真央!次俺と行くで!」

財前「………」


ベシッ


謙也「痛っ!何すんねん!」

小春「ほら喧嘩せえへんの!観覧車乗りに行くで」










財前「何で先輩らがいるんですか!」


観覧車の中には
あたしと光+蔵先輩と謙也先輩


財前「俺と真央で乗る言うたやないっすか!」


謙也「アホ!ジェットコースターならまだしも観覧車に男2人はキツすぎるやろ!」

財前「知らんっすわ!ユウジ先輩らは乗っとるやないですか!」

謙也「アイツらは特別や!」

白石「堪忍なぁ…さすがに俺でもたえられんわ…」

「確かにキツいですね…」

財前「なら乗らなければええ話やないっすか…!」

白石「最後やし、乗りたいやん?」

財前「そんなん知らんっすわ…!」

「まあまあ…」








〜おまけ〜



「銀さーん!お土産買って来ましたよー!」

石田「おお、真央はん。おおきに」

「何が好きですか?ようわからへんからいろいろ買ってきたんですよ!」

小石川「おお真央!帰って来たんか!お土産くれや」

「………あ。」

小石川「…は?」

「あ…えと…あの…」

小石川「…そこにぎょーさんあるやんけ」

「こっ、これは銀さんのです!ひ、光が買って来てくれてますよ!」

財前「…謙也さんやろ?」

謙也「はっ!?…し、白石の話やでそれ」

白石「…お前ら何言うとんねん!」

小石川「…忘れとったんか…!?」

「そっ…そないなことないですよ!…光どないする!?」

財前「…お前昨日帰り際に母さんから買い物して来い言われてたやろ。アレでええんとちゃうか?」

「と、豆腐と牛乳ならありますよ!牛乳は口が開いてますけど…」

小石川「遊園地関係あらへん!」

小春「冗談や。ちゃんとケン坊の分もあるで〜」









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あきゅろす。
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