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マネジのお姫様
16.ずんたったーずんたったー

「もうやだ…!うわあああん!メイドさぁぁあん!!」

メイド「わっ…ど、どうされたんですか真央さん!?」

「もうこんなのいやなんです…!何かするたびに叱咤されるわ、目の前に美味しそうなものあるのにお預けされるわ、椅子に何度も何度も立たされたり座らされたりするわー!!」

メイド「え…い、イジメ…!?」

「「「違う!!」」」

日吉「お前が不器用すぎるんだ。いくら何でも数回やれば覚えられるだろ」

「覚えられてないからこんなんになってんでしょ!?もっとよく見てみなさいよ!」

日吉「威張るな!」

「もう無理だー!メイドさぁあん!」

メイド「よしよし。辛かったですね」

跡部「……つーか何で真央のやつうちの使用人と仲がいいんだ?」

侑士「ほんまやなぁ。跡部よりも仲ええんとちゃうか?」

宍戸「どのタイミングでそんなことになってんだ…」

メイド「元気だしてください、真央さん!今日はお菓子多めにしてもらいますからね。お土産も持ってきますので」

「ほんとですか!?うわあ!嬉しいです!」

「「「(ああ…餌付けか…)」」」

跡部「…まあ、いい。おい真央時間がねぇから次の講座にいくぞ」

「え!?まだやるんですか!?もう十分頑張ったじゃないですか!」

侑士「いやいや真央ちゃん、キミ何一つできてへんで」

跡部「次の講座も食事マナーと同じくらいよく使うものだ。ちゃんと学習しろよ」

「えええー…」


いや、ほんとにもういいです。お腹いっぱい。
あ、物理的な意味じゃなくてね?
もうマナーとかいいよ…立派な大人にならなくても生きていけるよ…


宍戸「…だ、大丈夫か?なんか悟り始めてるぞ…」

「いっそ悟ってしまいたい…で?次の講座は何なんですか?言葉遣いですか?立ち振る舞いですか?ええ?」

向日「んなキレんなよ…全然悟ってねーじゃん」

跡部「次はダンスだ」

「「「………は?」」」


だ、ダンス…?


跡部「パーティーに呼ばれたときに使うだろ。今のうちからできるようにしとけ」

「ぱ…ぱーりーってあのぱーりーですよね…?ダンスは…ずんたったーずんたったーのダンスですか?」

宍戸「パニックになりすぎてお前が何言ってるかわかんねーよ」

侑士「多分跡部のことやから…船上パーティーとかのことなんやろな…」

「行きませんよ!!んなもん断じて行きませんよ!つか行けませんよ!」

跡部「俺様が連れていく」

「何で強制連行前提で話を進めてるんですかね!?」

宍戸「…でも流石にダンスはいらねぇだろ…んなもん俺らだってできねーし」

向日「俺も俺もー」

跡部「……チッ…仕方ねぇな。俺様がまとめて面倒みてやる」

「「「はっ!?」」」








跡部「よしお前ら、準備はいいか?」

「は、はい」

宍戸「いや全然よくねーよ」

向日「ほんとだよ!!何で俺らが女側のダンスしなきゃなんねーんだよ!」

跡部「あーん?仕方ねぇだろ。踊れるのが俺様と忍足と鳳しかいねぇんだから」

向日「いや俺ら女側のダンス覚えても意味ねーし!」

宍戸「つか何で長太郎はできるんだよ…」

鳳「あ、この間跡部部長に船上パーティーに連れて行ってもらったのでそのときに覚えました!」

侑士「俺も同じくや。まあ強制連行やったけどな」

「あれ?若や樺ちゃんはやらないの?」

跡部「樺地は一度見ればすぐに覚える。慈郎には無理だ。日吉は日本舞踊が踊れるから良しとする」

「それならあたしだって踊れますよ!盆踊り!」

日吉「一緒にするな」

跡部「つべこべ言いうな。やるぞ」

「……はい」


…この人たまに絶対逆らえないような言い方するよね…
何だろ…キング感漂うわぁ…


跡部「真央は俺様と…」

向日「却下!!お前ばっかずりーだろ!公平にしやがれ!!」

跡部「あーん、公平?俺様はキングだぜ?公平なんて俺の辞書にそんな言葉はねーんだよ」

向日「独裁政治かよ!!」

宍戸「おい跡部、キングなら何でも許されるって考えはよくねぇだろ。つか俺もさらっと言ってっけど大体キングって何だよ…」

跡部「…チッ、仕方ねぇな。忍足、お前が真央の相手をしろ」

侑士「おっ、ほんまか。役得やんなぁ」

真央&向日「「うげっ」」

侑士「コラコラ自分ら!うげっはおかしいやろうげっは!」


なら、まだ跡部先輩のほうがマシな気がする…


跡部「鳳は向日と、宍戸は俺様と特訓だ」

宍戸「このレッスンは誰が得するんだよ…」

侑士「ほな、やろか。真央ちゃん、ゆっくりでええで。のんびりいこか」

「は、はいっ」

侑士「まず基本のステップは……まあ、こんなもんやろ。マネしてやってみ?」

「わかりました」


えっとまずはこう…


ゴスッ


侑士「いたっ!?」

「あ、ご、ごめんなさい!」


やだ、いきなり足踏んじゃった!


侑士「いや、全然大丈夫やで。気にせんといてや」

「うう…すいません…」

侑士「ほな続けよか」

「は、はい!」


ゴスッ


侑士「うっ!?」

「きゃっ!また…す、すいません!」

侑士「だ、大丈夫大丈夫…最初はそんなもんやろ?」

「ほ…ほんとですか?」






ゴスッ


侑士「うぐっ!?」


ゴスッ!


侑士「ぐはっ!」


ゴスッ!ゴスッ!!


侑士「ぐあああっ!!!」




「「「…………」」」

宍戸「……初めてでもこんなにヒドくねぇよな?」

向日「明らかにユーシに殺意があるとしか思えねーな」

鳳「真央もハイヒールに履き替えてるので攻撃力2倍ですね!」

向日「見てみろよ…侑士の顔が恐怖で引きつってるぜ」

跡部「お前ら、サボってんじゃねぇ!練習しろ!」

向日「へいへい…」

鳳「いいなぁ、跡部部長…俺も宍戸さんが良かったです!」

向日「少しは目の前にいる先輩も気遣えよ!」

宍戸「俺もできれば長太郎がよかったぜ…」

跡部「あーん?何か言ったか宍戸」

宍戸「……何も言ってねぇよ」

「あ、あれ?侑士先輩、大丈夫ですか?」

侑士「だ…だだ大丈夫やでぇ…?」

「え、ちょ…跡部先輩!何か侑士先輩がすんごくガクブル震えてるんですけど!?」

宍戸「そりゃピンポイントで足の甲ばっか踏んづけられたら恐怖も感じるだろ…」

跡部「どうした忍足?…ダメだな、正常に動きそうにねぇ。仕方ねーな、おい鳳!お前が真央の相手をしてやれ」

宍戸「な!?オイ跡部!お前が行けよ!長太郎の足の甲に穴をあけさせるつもりか!?」

鳳「大丈夫ですよ宍戸さん!俺、このピンチを何とか切り抜けてみせます!」

宍戸「長太郎…!よし、お前ならできる!気合い入れて行ってこい!」

鳳「はい!宍戸さん!」

「…え、あたしのダンスの相手ってそんなスポ根になるほどピンチなの?」











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あきゅろす。
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