[携帯モード] [URL送信]

マネジのお姫様
バレンタイン〜ver.青学〜

「おはよ〜」

莉菜「あ、真央おはよう!」

「りっちゃん何読んでるの?」

莉菜「ん?コレ!」

「チョコレートのお菓子…?あっ!バレンタインか!」

莉菜「そう!もうすぐでしょ?」

「あら〜、すっかり忘れてたよ〜。りっちゃん誰かにあげるの?」

莉菜「んー…一応男バレには渡そうと思ってるよ。いつも近くで練習してるし。まあ義理チョコだけど」

「男バレにあげるの?バレンタインなだけに?」

莉菜「………」

「はい、すいません。でもそっか。そこから始まる恋もあるかも…」

莉菜「ないわね」

「そ、そんなきっぱりと…」


りっちゃんは可愛いからけっこうモテるのに…もったいないなぁ。まあ面食いだからな、跡部先輩とか、不二先輩レベルじゃないと好きにならないと言うならば仕方が無い。そんなイケメン滅多に存在しないし…


莉菜「真央は?テニス部のみなさんにあげないの?」

「それがさー、少し考えたんだけど」

莉菜「ふんふん。真央のない脳みそしぼって珍しく考えたのね、言ってごらん?」

「……コラぁ。ん、で、まあ。きっとさ、みんな各学校で大量のチョコもらうでしょ?」

莉菜「あぁ…モテるもんね」

「そう!ブン太先輩みたいに甘いものが好きでなおかつ大量に食べられる人ならいいと思うんだけど、まずあの量を食べられる人はいないと思うし…」

莉菜「そんなにすごい量なの?」

「いや、あたしもよくわかんないけど。普段でも差し入れの量とかプレゼントの量とかすごいからバレンタインもすごいよきっと」

莉菜「でしょうね…」

「そこで問題です!もし両手に抱えきれないくらいのチョコレートを持ってる人にさらにチョコレートをあげたらどうなるでしょう!」

莉菜「はいッ」

「はい、本田さん!」

莉菜「迷惑でしかない!」

「はい正解!…だからさ、あんまりチョコをもらっても嬉しくないんじゃないかなって。むしろそのチョコを入れるための袋を渡した方が万倍喜ばれると思うんだよね…」

莉菜「……バレンタインに袋をあげるのはやめなさいよ。でもそうかな?真央のなら喜んでくれると思うけど…」

「うーん…みんな優しいから嫌な顔はしないと思うけど。多分ヒドいこと言って受け取らなくても許されるのは跡部先輩くらいだよ。キャラ的に」

莉菜「どこぞの知らねぇメス猫の作ったチョコなんか受け取ってもらえると思ってんのか、アーン?って?」

「に、似てるね…さすがファン。まあとりあえずまだ練習日はあるから様子を見ようと思ってるんだけど」

莉菜「そうね、それがいいと思うわ」

「ついでにりっちゃんのもみんなに渡しておこうか?」

莉菜「んー…嬉しいけどそれはいいよ。なんかフェアじゃない気がするし。ありがと」

「そっか。わかった」


りっちゃんってそういうとこちゃんと考えるよね…好きだなぁ。


「ところでりっちゃん、何つくろうとしてるの?」

莉菜「とりあえず無難にチョコカレーにしてみようと思ってるよ」

「ぶ、無難に…?チョコカレー…?」


まって、何が無難なの?てかチョコカレーってなに?ちゃんとニンジンとかお肉が入ってるのよね…?


「ど、どんなの?チョコカレーって…」

莉菜「名前の通りよ?カレーのルーの代わりにチョコソースなの!見た目的にはそんなに変わらないと思うんだけど…ほら、男子だからたくさん食べると思って!大量に作ったほうがいいかなって」

「う…うん、そっか」


この子は気遣いはすごくできる子なんだけど、ちょっと遣うところがズレてるのよね…
頑張れ、男バレ部員たちよ…!りっちゃんへの愛が試されてるぞ!そして余ったからってそれをあたしにくれなくてもいいぞ!ちゃんと完食しろ!












「よし、部活頑張るかー!」


今日は青学だ!
まあ、バレンタインのことなんて最後に聞けばいいからね。とにかく部活に集中集中!油断せず行くぞー!


「おっ、桃だー!やっほー!」

桃城「お、おう!真央!」

「ん?何か…へん?」


なんだ…?動揺してるっていうか…動揺の中にも期待がある?みたいな?目の動きが左右にものすごい速さで動いてるし、眼球まで運動神経いいの?とりあえず何でそんな変な決めポーズしてんの?


桃城「へ、変ってなんだよ!」

「いや、そわそわしてるっていうか…ポーズがダサいって言うか…」

桃城「そ…そんなことねーって!そんなこと言われてもちょーこまるぜ!」

「う、うん。ごめん」


なに?何なの?何でそんな目を見開いて…掴まれた肩も痛いし…
こわいよ?そしてポーズダサいって言ったのにそこスルーされちゃあたしさみしいよ?


大石「コラ、英二!さぼってないでちゃんと練習!」

菊丸「わかってるよーん!あ!ちょっと乾〜!」

大石「あ、コラ!…まったくちょこまかと…」

「………」


何だろう…
なんか、ねえ?ある単語が不自然に使われてる気がしません?気のせい?


河村「今年も始まってしまったんだね…」

「あ、タカさん先輩!何が始まったんですか?」

河村「アレはね…バレンタインが近くなるとチョコレートを意識してしまうがあまり「チョコ」という言葉を無意識に使ってしまう病なんだ」

「な、なんて恐ろしい…!」


まさか大石先輩まで!てか初めてきいたよその病気。とりあえず青学テニス部限定ですかね?


「みんなかかってしまう病気なんですか…?」


河村「いや、バレンタインを意識してないとかからないよ」

「そっか…大石先輩、何だかんだで意識してるんだ。意外だ…」

河村「まあ、しばらく不自然な会話がちょこちょこ聞こえると思うけど気にしないでね」

「タカさん先輩…」


すでに病魔におかされておる!なるほど、本人は自覚症状なしなのね!こわっ
じゃあとりあえず、桃と大石先輩とタカさん先輩にはあげよう!
大石先輩にあげるなら菊ちゃん先輩にも渡した方がいいかな。あの人もなんだかんだでたくさんもらいそうだけど…
海堂くんにもあげよう。彼、あんな強面とシャイな性格でもらえなさそうだし…本当はいい人なのに…
手塚先輩にはあげ…ていいのかな?
学校に食べ物を持ってくるなとか言われそうだなぁ、怒られるのは嫌だよ…
不二先輩は…いいか。あの人1番モテそうだし、たくさん抱えてそうだし…


不二「もちろん僕にもくれるよね?」

「ふぁっ!?」


お、おお…不二先輩…いつの間に…


不二「何だが今年はたくさんもらえそうな気がするんだ」

「じゃあ余計いらないじゃないですか…」

不二「そんなことないよ?僕は真央のチョコレートが欲しいな」

「はあ…もらってくれるなら全然用意しますけども。でも不二先輩1人だけのために用意するわけにはいかないので、みんな同じやつにしますからね?」

不二「全然構わないよ。僕に対する真央の愛はたっぷりだろうから」

「あ、愛って…////」


な、何だ愛って。どうやったら詰められるんですかそれ。なんか今日不二先輩攻め気味だな…


不二「あ、そうだ。じゃあチョコレートの中に唐辛子を入れてみてくれるかい?美味しいと思うんだ」

「いや、それ不二先輩限定!」


あたしが言ったことちっとも理解してくれてないじゃないですか!


不二「ふふ、じゃあ楽しみにしてるよ」

「あ、はい」


な、なんかアレだね…
不二先輩に期待されると急にハードル上がるね…不二先輩のだけ七味唐辛子でもつけとこうかな…


越前「真央先輩」

「おっ!?おお、リョーマ…」


何でみんなそんなこっそり近づいてくるの?
忍者の修行でもしてるの?堂々と声かけてくださいよ…


「なあに?」

越前「いや…不二先輩と何話してたの?」

「話?ああ、そんな大したことじゃないよ」

越前「ふーん」

「うん」

越前「………」

「………ん?」


何だ、この子はそれを聞きにきたのか?


越前「ねえ、もうすぐさ…」

「ん?」

桃城「えっちぜーん!何の話してんだよー!」


ガシッ


「わっ、桃!」

越前「ちょ…桃先輩痛いッス!」

桃城「で?部活サボって何の話してたんだよー!」

越前「別にサボってないッス…」

「いや、リョーマがね。さっき不二先輩と何の話してたの?って聞いてくるから…」

桃城「へェ?一丁前にヤキモチかよ!束縛の激しい男は嫌われるぜ?」

越前「なっ…!////そ、そんなんじゃないッス!////」

桃城「ほーう?赤くなっちまいやがって!んで?不二先輩とは何の話してたんだ?」

「バレンタインのこと」

桃城「バッ…バレンタイン!?」

「うわっ!び、びっくりした…ちょっと!声のボリューム気をつけてよ!ただでさえデカいんだからっ」

桃城「わ、わりぃ…んで、ふ…不二先輩にはあげるのか?」

「うん。桃にもちゃんとあげるよ」

桃城「おおお!マジ?ラッキー!」


何言ってんのよ…
ほんとはこれが聞きたかったんでしょ?


越前「ねえ…俺には?」

「そりゃリョーマの…」

桃城「ああ、コイツにはやらなくていいぜ。何も言わなくてもこの生意気野郎はモテるから」

「あ、そうなの?」

桃城「俺のクラスの女子もよー、たまーにコイツの話してんだわ!帰国子女だからってほんと生意気だよなー!ん?越前の場合は帰国子男になるのか?」

「さ、さあ?聞いたことないけど…」

越前「ちょっと桃先輩!」

「でもさっすがリョーマ!お姉様にもモテるのね!」

桃城「何よりほら、越前にはあの三つ編みの子がいるだろ?女テニの」

「あ!桜乃ちゃんね!」


そうだ、そういやこの子には桜乃ちゃんという可愛い子がいるんだった!


越前「……桃先輩……」

桃城「ん?…げっ!な、何でそんな怒ってんだよ!」

越前「ちょっとあっち行ってて欲しいッス。余計なこと言わないでください」

桃城「お、おお?じゃ、じゃあまた後でな!カエルが鳴くからかーえろっと…」

「ちょっと桃!!」


よ、よくわかんないけどなんか怒ってる状態のリョーマと2人きりにしないでくれー!!


「………」

越前「………」

「あ、あの…リョーマさん…?」

越前「……なに?」

「あ、いえ、あの…何でそんなに怒ってるの…?」

越前「……別に怒ってないけど」


いやいやいや、オーラからしてめっちゃ怒ってるから!もう先輩ビクビクだから!


越前「……ねえ」

「は、はひっ!?」

越前「何その声、どこからでてんの?……俺に本当にくれないわけ?」

「な、何が!?命は!命だけは勘弁してください!!」

越前「別にそんなのいらないけど。……チョコ、くれないんスか?」

「ち…チョコ?あ、ああ!バレンタインのチョコ?」

越前「そうッス」

「あ、全然!さっきだってそりゃリョーマにもあげるね!って言おうとしたんだけど…。桃に遮られた」

越前「桃先輩…」

「まあ、桜乃ちゃんがいてもギリなら大丈夫だよね!」

越前「…………ギリ?」

「…え?な、何でまたちょっと怒ってんの?」

越前「先輩のせいっス」

「あ!今度は否定しないの!?」

桃城「おーい越前!機嫌はなおったかー?」

越前「……桃先輩」

「も、桃!ダメだ!来るでない!お主の命が危ないぞ!!」

桃城「は?って!越前さっきより怒ってんじゃねぇぇかぁぁぁああ!何してんだよ!真央何やってんだよ!」

「いや…あたしにもさっぱり…」















[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!