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マネジのお姫様
10.乾へ逆襲


さっ
今日も頑張って練習手伝うぞー!!


「こんにちはー!」

「「「ちぃーすっ」」」


おっ
相変わらず元気いいな!


桃城「おっ、真央来たかー!」

菊丸「よっしゃー!じゃあ練習開始だにゃ」

「うん?何か今日、みんな妙に張り切ってません?」

河村「今日は乾特製特訓メニューの日なんだよ」

「特訓メニュー?」

大石「ああ。乾がそれぞれにあったトレーニングメニューを考えてくれるんだ」

「えー!すっごい!」

大石「ただアレさえなければなぁ…」

桃城「ああ…嫌ッスよね、アレ…」

不二「そうかな?僕は意外とアレは好きだけどな」

「アレって何…?」

越前「もうすぐ分かるッス」


へぇ…アレねぇ。
好き嫌いがあるみたいだけど、トレーニングメニューの何かかな?


乾「全員揃ったな。では最初のトレーニングを始めるとしよう」


い…一体どんなトレーニングメニューが…


乾「まずは走り込みだ」

「…へ?走り込み?」


また無難っつーか…意外とありがちなメニューだなぁ


乾「しかし、一周1分以内。それ以上かかった者にはコレを飲んでもらう」
「飲むの?何を?」

「「「でた…」」」


…何かみんな急に老けた?
スゴいげっそりしてるんだけど…
一方乾先輩は、ランランとしてジョッキを出してきた
なんだか…緑色の液体が…


菊丸「でたー、特製乾汁!」

「乾汁?」


って、乾先輩が作ったから乾汁?
なんて安易な…


「でもコレが嫌なんですか?青汁でしょう」

海堂「けっ、何でも分かったような口きくんじゃねぇ」

桃城「お前は乾汁の威力を知らねーから言えるんだよ」

「そ、そんなにスゴいの?」

桃城「スゴいなんてもんじゃねぇよ、飲んだ人間を地獄の底へ落とす威力…」

乾「ではスタート」

菊丸「桃、おっ先〜♪」

越前「乾汁は勘弁ッス」

桃城「あ?…あ゛ぁー!?ちょっ…不意打ちはズルいっすよー!!」


あら…行っちゃった…
すんごいみんな必死だな!
あの手塚先輩でさえ本気で走ってるよ…


「そんなにマズいの…?」


そこまで言われると逆に興味をそそられるな…












乾「はい終了」

「「「終わったー…!!」」」

「みんなお疲れ様ー!」

乾「なるほど、レギュラー陣はみんな飲まなかったか」

菊丸「あっりまえじゃん!ぜーったいに飲まないもんね!」

乾「残念…」

「乾先輩すんごく残念がってますよ?」

越前「知ったこっちゃないッスよ」

大石「そう!俺はアレを飲まないためだったら、何だってできる!」

「そんなに!?」


どんなんなんだ乾汁…


「ちょっと舐めてみるだけ…」

越前「うわっ!?ちょっ、何してるんですか真央先輩!!」

桃城「馬鹿!やめとけ!」

大石「やめるんだ真央!」

菊丸「やめるにゃ〜やめるにゃ〜!」


何もそんなに…
別に飲まないよ?
舐めるだけだもん。


ペロッ


「「「ああぁぁああっ!!」」」

「……!」


こっ…この舐めただけで湧き上がってくる味は…!
あ…だんだん視界が…


「うぐわぁぁぁぁああっ!!」

「「「真央ーっ!!」」」

乾「ほう、舐めるだけだと効能が遅れるのか。いいデータがとれた」


「「「お前ぇぇえ!!」」」

河村「と、とにかくベンチの上で寝かせないと…!」













「…う、うぅん…」


…あれ?
何で寝てんのあたし…


菊丸「あ、真央!気がついた?」

「菊ちゃん先輩…?」


あっ!
そっか!確か乾汁なるものを飲んで…


「き、気絶しちゃったの…?」


飲んで気絶する飲み物って最早犯罪なんじゃないのかな…


菊丸「良かったー!このまま起きなかったらどうしようかと思った!」


…ありうる。


「てか先輩たちはあんなマズいものをいつもペナルティーに飲んでるんですか?よく身体がもちますね…」

菊丸「うーん…確かに最近では乾汁は気絶するほどでもなくなったなぁ」

「いらない抵抗ついちゃってんじゃないですか…」


菊丸「まあ、何にせよ無事で良かった!身体には健康的な飲み物なんだけどさぁ。すんごくマズいんだよねー」

「飲み物として一番改良すべき点なんじゃないですか…?」

菊丸「ねー。あの温厚な大石まで怒るレベルだし」


あの大石先輩まで…!?


大石「…何だかあの2人を見ていると猫がじゃれあってるように見えるな…」

不二「あの2人って?」

大石「英二と真央だよ」

不二「ああ…何だか微笑ましいね」

大石「小動物系だからね」

「って言うかあんなマズいものはダメですよっ!抗議に行きましょう抗議に!このままじゃあの汁が怖くてテニスがトラウマになる人がでてきますって!」

菊丸「そ…それは困るにゃ…。けど乾のやつ、俺らが何回抗議してもちっとも止めないんだよー」


ぐぬぬぬ…
意外に頑固だな黒縁眼鏡め…


「じ、じゃあ弱点を見つけてそれと引き換えにやめてもらうとか!ちょっと卑怯な気もしますけど…」

菊丸「弱点?」

「はい!…ありますかね?」


何か強そうなんだよなぁ
いろんな意味で。
なかったりして…


菊丸「例えばアレとか?」

「アレ?」


アレって…いつも乾先輩が持ってるノートだよね?


「アレのどこが弱点なんですか?本人が書いたものですよ」

菊丸「あのノートの内容を見た人間は1人もいないよ」

「えっ!?な、何で…?」

菊丸「見たくても見せてもらえないの!」


…と、いうことは相当なことが書いてあるってことか…


「菊ちゃん先輩!それです!ターゲットはあのノートですよ!」

菊丸「了解!よっしゃー!頑張るにゃー!」


ふっふっふ…
トラウマ防止&あたしの復讐…楽しみにしてなさいよー!


大石「ど、どうしたんだあの2人…悪い顔になってるぞ…」

不二「面白そうなこと考えてるね」








菊丸「で、どうする?」

「とりあえず乾先輩がノートを手放したとこを狙って…」

桃城「何やってんスかー?」

越前「2人ともストーカーみたいっすよ」

菊丸「あれ、桃とおチビじゃーん」

「つかストーカー言うな!」

桃城「乾先輩に何か用事ッスか?」

菊丸「これから俺らはお前たち後輩のために一肌脱ぐの!」

「そうよ!感謝しなさいっ」

桃城「俺らのため…?」

菊丸「乾のノートを奪ってそれと引き換えに乾汁廃止令を出す!」

「そしてあたしにあんなマズい汁を飲ませたこと…後悔させてやるわぁぁあ!」

越前「それ俺らのためって言うよりほとんど私情挟んでるでしょ」

桃城「つーか勝手に乾汁舐めたのお前だからな?先輩は何も悪くないぜ」

「う…うるさいっ!とにかくやるの!外野は黙ってて!」

越前「そんな面白そうなこと聞いて…」

桃城「やらないわけにはいかねーなぁ、いかねーよ」

真央&菊丸「「え?」」

桃城「俺らもその乾汁廃止令に協力するぜ!」

越前「どーせ暇だったしね」


いや、今テニスの練習時間でしょーが。
手塚先輩に見つかったら怒られるよ?
…まあ、あたしも例外じゃないけど


菊丸「いいね!じゃあ4人で頑張るにゃー!」

桃城&越前「「うぃーっす!」」

「…………」


…どうしよう…
このメンツじゃ絶対に上手くいかない気がしてきた…










手塚「乾、トレーニングのことで少し話があるのだが」

乾「分かった。行こうか」

桃城「しめた!ノート置いてったぜ!」

菊丸「なーんだ、楽勝楽勝!」

越前「早く持って行きましょうよ!」


へぇ…
マル秘とか書いてあるわりには案外すぐ手放すんだな。


「まっ、いっか。早く見よう!」

菊丸「じゃ、じゃあいくよ」

桃城「な、なんか俺ドキドキしてきた…」

越前「俺もッス…」

「せーのっ」


ペラッ


「「「こ…これは…!」」」


「…数学…?」

越前「何かノートシワシワしてません?」

「これヨダレの跡だよ!あたしもしょっちゅうつけるからわかるっ」

菊丸「真央…」

越前「つーか乾先輩にしては字がデカすぎません?」

菊丸「確かに…ずいぶんダイナミックだにゃあ…」

「字が汚いよ…」
桃城「あぁーっ!!」

「「「!?」」」

桃城「コレ、俺の数学のノートだ!」

「えっ!?」

越前「……確かに桃先輩なら納得ッス」

菊丸「だよねー。乾なわけないよなー」

「つか自分のだったらもっと早く気がついてよ!」

桃城「うるせー。乾先輩が俺のノート持ってるとは思わねーじゃねぇか!」

「か、変わり身の術か…」

桃城「てか乾先輩人のノートに勝手にマル秘って書かないでくださいよー!」

「きっとこれからクラスのいろんな人からそのノート狙われるね。マル秘なんて書いてあるから」

菊丸「めくった瞬間、汚い字とヨダレの跡…」

越前「がっかり感ハンパないッスね」

桃城「越前うるせーよ!」

越前「何で俺だけなんスか!」


コレが桃のノートだとすると、本物はいずこ…?


乾「ふっふっふっ。あまいなお前たち」

「乾先輩!?」

桃城「そ、その手に持っているのは…!」

乾「俺が易々とこのノートを手放すとでも?」

「くっ…」

菊丸「やっぱり簡単にはいかないにゃ…!」

「まだまだ!勝負はここからよ!」

乾「いや、俺の勝ちだ」

「なにおう!?」

乾「後ろ」

「「「後ろ…?」」」

手塚「お前たち…何をしている?」

「「「げっ」」」

「て…手塚先輩…」


しかも結構怒ってる…?


手塚「練習をサボって何をしていると聞いているんだ」

菊丸「あの…えっと〜…」

桃城「これは…その…あ、あれっすよ、なあ越前」

越前「げっ…お、俺にふらないでくださいよ…」

手塚「お前たち3人はグラウンド30周!」

「「「さっ…30周!?」」」

手塚「つべこべ言わずに走って来い!」

「「「ひぃぃい…!」」」


うわぁ…
みんな大変だなぁ…


手塚「相川、お前何他人事のような顔をしている?」

「へっ!?」


…え。
も、もしかしてあたしにも30周走れっていうの!?
死んじゃうよ!
先輩が後輩を殺したってニュースになっちゃうから!
全国制覇どころじゃなくなっちゃうからねーっ!?


手塚「…そこまで青ざめるな。お前にはグラウンドは走らせない」


あっ、本当に!?
よかったー!
あの手塚先輩でもさすがにむちゃはさせないんだね!

「「「(えー…ずりー…)」」」

手塚「お前は一週間、不二のマネージャーとしてやれ」

「………え」


不二のマネージャーって…不二先輩専用マネージャーってこと?


「え、ええぇぇええっ!?」


それってずっと不二先輩と一緒ってことだよね!?


「あああたしが不二先輩専用マネージャーになっちゃったらみんなの準備とかできないですよ!」

手塚「心配ない。もともとお前が来る前は自分たちでやっていた。それにこれは不二からの希望だ」

「そんなぁ…」


やっぱり手塚先輩は鬼だっ!!つーか不二先輩何考えてんのぉぉおっ


「「「(よ、よかったー…30周ですんで…)」」」










〜おまけ〜


「嫌だぁぁあっ」

不二「そんなに僕とが嫌なのかい?」

「!…不二先輩…」

不二「僕専用マネージャーってことは僕が真央に何をしてもいいってことだよね」

「えっ!?そ、そんなわけないじゃないですかっ」

不二「ふふっ、今から楽しみだな」

「いやぁぁぁあああっ」










越前「あっ、何か今真央先輩の悲鳴が聞こえた気がした」

桃城「んなわけねーだろ。どんだけ真央が恋しいんだよ!」

越前「なっ…///そ、そんなをじゃないっスよ!」

菊丸「不二と一緒だから案外あってるかもしれないにゃ…」











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