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side :NICO



このファミリアにはビッグネームが三人居る。


ファミリア第七位であるニコロは集った幹部達のど真ん中に堂々と鎮座した三人にチラリと視線を向けた。


今回の幹部会ではボスは欠席だ。
中心に座った三人は他とは少し違う椅子に腰掛け、三者三様に他の幹部からの報告を聞いていた。



一人目はジョルジョ・アレグリーニ。
中心に座するアレグリーニ財閥の当主にして、ファミリアの第一位の幹部長。ミラノ周辺のビッグボスとの顔効きで、ファミリアの中だけでは無く多大な影響力と力を持つ男だ。

二人目は、ロベルト・サラデーニャ。
ダラリと肘をついたままダルそうに座る、言わずと知れたうちのボスの息子。性格は傲慢で唯我独尊。わが道を行くタイプのダウナーな伊達男。だが、流石に次期ボスを任されるように、金と人と銃の使い方だけは心得た恐ろしい男。幹部第二位。



そして最後に、ロベルトの右隣に座るイレギュラー、ハルキ・タケケタ。

日本人特有の小柄な体は子供のような無害さを連想させるが、本性はその正反対であり、

三年前の冬に「赤雪のクリスマス」を起こし、一躍名前の売れた狂人。悪戯で突っ込まれた敵陣をたった一人で切り倒し、およそ二年続いた抗争を刀一本で終らせた「ソードダンサー」。クール過ぎるくらいクールで物静かな一匹狼。

その少年のような青年がボスやロベルトの後ろで静かに控えてる様は一見礼儀正しい忠犬のようにも見える。


「ソードダンサー」
別称を、「サラデーニャの番犬」。

実際は違うだろうと誰もが考えている。
騙されるな。




あの重黒く底の見えない目は、
何を考えているのか全く解らない。

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