◆お題 016.不感症 ※R18 ゆっくりと手を伸ばし彼に触れる。 緊張して汗ばんだ肌がしっとりとして手に吸い付く。 「緊張してる?」 「少し…」 男も女も、前も後もそれなりに経験がある俺からすればこういう感情は遠い昔の出来事のようだ。 初々しい反応に少し懐かしさを感じる。 「俺、不感症かもしれない」 そんな相談をされたのはつい2時間程前のこと。 親友のこの男が、性の話をしてくる事はなかったのでビックリした。 尻の軽い俺に比べて、真面目でお堅いコイツはそういう話を嫌っていたからだ。 「どうしたの、いきなり…」 「勃たない」 いきなりヘビーだ。 俺に言うな、医者に行け。 「でも前に勃った事があったから治るのかなと思って…、医者とか怖いし…」 モジモジと恥かしそうに語る親友に、節操のない俺の下半身はフル勃起しそうなんですが…。 「俺にどうしろっつーのよ…」 「お前なら何か良い手を知らないかと思って」 「あいにく俺は勃たないとかねーし、ほれ」 緩くズボンの生地を押し上げている息子を見せ付けると親友が怖い物でも見たかのように後ずさった。 「なにがどうしてそうなった?!」 「なんとなく?」 「怖ぇ、…でも今ちょっと羨ましいわ」 ガックリと肩を落とす親友に多少の同情と多大な興味が湧く。 「触ってやろうか?」 「あ゛?」 「他人の手だったら勃つかも知れないじゃん」 「お、お前はそれでいいのか?!」 「いんじゃね? 俺軽いし男も女もバッチコイだし」 「軽っ!」 そして話は冒頭に戻る。 萎えたペニスに指を這わせると、ヒクリと脇腹が揺れた。 童貞ではなかったはずだから、久しぶりなのかもしれない。 ゆるゆると上下に動かしてもペニスに反応はない。 「気持ち悪い?」 「い、いやそんなでもない」 「じゃあ続ける」 先端の敏感な部分や浮いた血管を感じるように撫で、擦る。 室内に俺の肌とコイツの肌が擦れる音だけがこだまして妙にいやらしい。 それなのにコイツのペニスはいまだに萎えたままだ。 「おっかしいな…、普通だったら勃ちそうなもんなのに」 「やっぱり駄目なのかな…」 「なんか悔しいな、…舐めてもいい?」 「は?」 「いただきまーす」 返事を待たずにぱくりとくわえ込む。 だらりと垂れたペニスが口の中に入り込み、唾液をたっぷり含ませた舌で絞り上げる。 唇で幹を擦り上げ、舌で先端を刺激する。 先端の穴を抉るように舌先を突き入れると、腰が跳ね少しだけ反応したがそれ以上にはならなかった。 ずるりと口からペニスを抜き出すとほんの少しだけ大きくなっただけだった。 「うーん、不感症って訳じゃないのかも」 「本当に?」 「だって多少勃ってるし」 グリグリと指の腹で乱暴に唾液で滑る先端を弄る。 「ちょ、…ぁあ」 「ん?」 今まで反応の薄かった親友とは違う反応。 軽く弄っても反応がなくて、乱暴に弄ると反応する? そういえばさっきも舌を先端に突っ込んだ瞬間に反応していて…。 「ちょっと辛いけど試して良い?」 「え、何すんの…」 体を堅くする奴に右手の人差し指を差し出す。 「尻に突っ込む」 「イ ヤ ダ !」 「大丈夫1本だしゴムつけるから」 「大丈夫の意味わかんねーよ!!!」 指にゴムを着けローションを垂らすと逃げ腰の親友の足を掴み引き寄せる。 体格は変わらないがこういう時は精神的に強い方が勝つ。 「優しくするよ…」 「ムードを出すな!!!」 「じゃあゆっくり入れるからね」 逃げようとして俺に尻を向けてるのだからあほと言うか可愛いよな。 俺にとってはこの体勢の方が突っ込みやすいじゃん。 ゴムの着いた指で入り口を撫でて濡らす。 「ひっ…!」 親友の切羽詰ったような叫びが上がるが気にしない。 ローションが濡れた音を立てゆっくりと後唇を開いていく。 痛みがないようにゆっくりと指を入れていく。 「息吐け、身体堅くしてると辛いぞ」 「で、きなぃ…!」 「しょうがねーな…」 限界まで指を押し込むと緊張で堅い蕾から引き抜く。 「アァ…!」 内壁を擦り上げられる感触に悲鳴が上がる。 痛みではない、違和感による物だろう。 「じゃあもう1回ね」 「も、やめ…」 息を詰めて俺に訴えるが聞こえない振りをして指を抜き差しする。 次第に身体の力が抜け指がスムーズに動くようになった頃…。 「う、嘘…」 「本当」 「やだ、こんなのいやだ…」 アナルの刺激だけで勃ちあがっていた。 「マゾなんじゃね?」 「嫌なこと言うな!」 「じゃなきゃ先天的にゲイとか…」 「お前もう黙れ!!!」 黙れと言われたので指の方に集中する。 内壁を擦りあげる動きを加え今まで避けていた快感のスポットを潰すように弄る。 「な、あ、ぁ、そこ、…やめ…っ!」 「気持ちいいだろ? 前立腺」 「やだやだやだやだ!!!」 子供がするように首を振るが明らかにペニスは反応している。 もうがちがちの状態で解放の瞬間を待ち侘びているそこを乱暴に擦り上げながら、前立腺に強い刺激を送る。 「ほら、イきな」 「やあっ……」 ブルブルと背中を震わせながら俺の手に熱い飛沫をぶちまける。 後に咥え込んだ指を締め付ける動きはまるで誘い込むようだった。 「マゾのゲイなんじゃね?」 「嫌な結論を、出すな」 下半身を晒して息を上げながらも反論するのを忘れない親友にある種の感動を覚える。 (流されちゃえば楽なのに…) 強い射精の快楽でまだ震えている身体は壮絶な色気で、何よりいまだ隠されていない後唇がヒクついているのが堪らない。 (突っ込みたいなぁ…) 自分には何の刺激も与えていないけどあんないやらしい光景で勃たないほど枯れていない。 勃起した自分のモノを何とかしようと立ちあがろうとするとズボンを引く手に引きとめられた。 「どうした?」 「それ処理しに行くのか?」 「そう、だから離し…」 そこまで言って俺の言葉が止まる。 親友の手が俺の勃起したペニスを握ったからだ。 服の上からだが既に感じている俺にはその刺激でも十分感じてしまう。 「な、に…、え?」 「触らせろ…」 「どうした、やけになってんの?」 「本当にゲイなのか…試してみたい」 ゆっくりとジッパーを下げ、俺の物を取り出す親友の目は本人には見えないだろうけど、明らかに欲望に濡れていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |