◆短編
庭のクマさん※R18
皆さんは真実の愛というモノをご存知だろうか?
その存在を想うだけで心が躍り、ただひたすらに愛おしく、姿を見るだけで幸せにしてくれる、そんな存在。
以前の私なら鼻で笑っただろう。
もしかしたら口汚く罵倒していたかもしれない。
だが今の私ならばわかる。
確かにそれは存在して、今確実に私の手元にあると。
晴天の庭で庭師の仕事に勤しむ彼の背後に音を立てないように忍び寄り、脚立の上で蠢く尻をわし掴む。
「はぎゃあっ!」
「うーん、いい弾力。熊田君の尻はたまらんなぁ」
「なっ、なに触ってんだ、アンタは!」
「尻」
「そうじゃなくて!!!」
筋肉質な硬い尻はずっしりとして揉み甲斐があり、グニグニと力を込めて尻肉を揉むとピクピクと小刻みに震えて反応してくれる。
その敏感さに気を良くした私は、割れ目に親指を沿わせツゥっとなぞり、1番敏感な穴を布越しに突いた。
「ひぎっ!」
ビクリと身を震わせながら脚立の上に身を起こし、真っ赤な顔でこちらを睨む表情は名前通りクマに似て愛らしい。
太い眉が好き
モサモサのモミアゲが好き
拘っているらしいあごヒゲが好き
実は怒ってるのではなく、照れている彼の優しさが好き。
「セクハラだ……」
「えー、嘘ー」
「職場で雇い主にセクハラされてるのに、嘘もなにもあるか!」
「だって相手が嫌がってなければセクハラじゃないでしょ?」
「〜〜……っ!」
カァッと赤くなった頬は私の言葉を肯定し、困り顔は益々可愛い。
「じゃあ熊田君は雇い主に脅されてしょうがなくエッチしちゃうんだ」
「ち、ちがっ!」
「熊の着ぐるみパジャマのお尻部分を切ってコスプレ風のエッチをしたのも、私のおちんちんに蜂蜜をべったり塗ってそれを精液ごとごっくんしたのも嫌だった?」
「ぅ、あ」
「昨日雄っぱい揉みながら普通より大きめの乳首弄って尻穴をおちんちんで抉ってた時に、『気持ちいい』っていいながらお漏らししちゃったのも私が雇い主だから?」
耳まで真っ赤にして私から視線を反らした熊田君に近づくと、服の上からでもわかるぐらい立派な胸筋をなぞり、言葉で反応してしまったらしくツンと硬くなった乳首を爪でピンと弾いた。
「恋人だと思ってたのは私だけ?」
耳に息がかかるほど近くで囁くと、身を揺らして逃げをうつ熊田君の腕を押さえて引きとめる。
筋肉質で普段から体温の高い彼の腕は過剰なほど熱く、触れた私の方がビックリするほど。
「……っ!」
なにか言おうとしているのか口をパクパクと数度開閉させ、上手く言葉に出来なかったのか泣きそうな顔をした熊田君の唇を優しく撫でて指で割り開いた。
触れた肌と同じで熱い口内を指で探る。
「ふも……、んっ、ぁ」
上顎を指の腹で擽り、舌先を指で軽く摘む。
爪で真っ白な歯を軽く叩くと、そのリズムに合わせて彼は身体を揺らした。
「ねえ熊田君、私に教えてくれる? これはセクハラ? それとも恋人とのスキンシップ?」
口に突き入れられた指にモゾモゾと熊田君の唇が当たる。
赤く染まった頬はきっと私の欲しい答えをくれるだろう。
ゆっくりと唇から指を引き抜き、ニコリと笑う。
「セクハラだと思うなら拒んでくれて構わない。勿論それで君が仕事を失う事はないと保証しよう。でももし熊田君が私の事を恋人だと思ってくれているのなら……」
「……いるのなら?」
「熊っぽく鳴いて」
「く、熊っぽく?!」
「そう」
「熊……、熊? 鳴く、か?」
彼は気付いているだろうか?
鳴き声ばっかり気にしていて、断るという選択肢はすっかり忘れてしまっている事を。
「く……」
「ん?」
「クマ〜?」
首をこれでもかと傾げて熊の鳴き声と思しき声を出した熊田君は、私の目にこれ以上なく可愛く見える。
おそらく間違っているが、可愛いからこれで全然構わない。
いまだに首をかしげたまま不思議そうな顔をしている熊田君に、私も同じように首を傾げてそっと近づき唇を重ねた。
「なぁっ!?」
「恋人だろう? ……少しだけ、ね?」
「少しじゃ終わらない癖に」
そう言って尖らせた熊田君の唇が可愛くて、私はもう1度キスをする。
眉根に皺を寄せながらも、目を閉じてくれる優しい所が愛おしい。
「あ」
「何?」
「あまりにも熊田君が可愛いからね?」
キュッと手を握り、その手を私の股間に導く。
実に素直に反応した愚息に触れると、熊田君は私の腕を慌てて振り払う。
「何でアンタは!」
「いやぁ、私もまだ若いから」
「だからって屋外で盛るなよ!」
「青姦っていいよね」
「はい?」
ピタリと動きの止まった熊田君の腕を取り、解いたネクタイで拘束する。
ネクタイというのは実に便利だ。
仕事をしていなくてもしているように見えるし、簡易の拘束にも持ってこい。
それに、いい免罪符になる。
「な、なにしてっ!」
「ああ、これは大変だ。熊田君、腕を縛られてしまったから逃げられないねー」
芝居がかったポーズを取り、大根役者でももうちょっと上手く言いそうなほどの棒読みで、仰々しく彼に語りかけた。
そう、これは免罪符。
まだ素直に私を受け入れられない彼の為の、腕が拘束されて逃げられない状況。
「雇い主に強制されて庭で犯されちゃう庭師プレイか、燃えるねぇ」
「そのままじゃないか!!!」
「プレイだよ、プレイ。『そんな事いいながらまんざらじゃないんだろう? 庭師さん』」
淫乱と言っていい程に感じやすい熊田君の下肢に触れれば、そこはすでに布地を持ち上げ勃起していて私の指の動きに合わせてピクピクと震えた。
同じ男だからわかる、もうこれは出さないと収まらないだろう。
「……やっぱりセクハラだ」
「恋人同士のスキンシップだよ」
不満げにこちらを睨みながらも、私の可愛い恋人はキスを拒まなかった。
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