◆短編
不純な獣達※R18
不純を好む穢れた獣、バイコーン。
純潔の象徴たるユニコーンとは違い、頭に2本の角を持つ魅力的な体躯はしなやかに反った。
「は、ぁ……ぐ……」
太ももから下は引き締まった馬の脚だが、それより上は人と殆ど変わらぬ外見で、尻穴に男根を咥え込んだ美しい男が、実はその神話上の生き物だと誰が信じるだろう?
「ほら、もっとしっかり締めて」
手の平で臀部をピシャリと打てば、ビクンと身体を震わせて、健気に尻穴に力を入れた。
「はぎっ、ひ、ぁ……、あぃい…」
「気持ちいい?」
「いぃ……、気持ひ、ぃい」
だらしなくヨダレを垂らす口に指を突き入れると、キャンディをしゃぶるみたいに、美味しそうにすすり上げる。
軽く舌を押す様に愛撫すれば、ヒクヒクと後唇が戦慄いた。
「処女だったくせにこんなにアンアン言っちゃって、インラン過ぎじゃない?」
「……っ! ち、違っ」
「違わないデショ、嘘付くとイかせてあげないからね?」
片手で持つには重いペニスの根本をちょんちょんと突いて刺激してやる。
馬の獣であるバイコーンのペニスは普通の人間の2倍以上もあり、たっぷり精液を湛えているだろう睾丸は放出を待ち侘びてキュッとつりあがっていた。
もっとも勝手にイけないように、根本をギッチリ締め付けているのでイけないのだが。
「やらぁ、イきたい、も、いかせてくれ、よ……!」
「よく言うよ、さっきからドライでイキ続けてるくせに」
「んぎぃい゛ッ!」
腰を掴んで腸液で滑る尻穴を思い切り突き、深々と抉る。
入り口は手で握るみたいにキツイ締め付けの癖に、中は柔らかく吸い付くように甘く蠢く、まさしく名器。
誘い込むようなその極上の穴を繰り返し責め立てれば、絶頂を止められ赤黒く変色したペニスがブルブルと身体の動きに合わせて揺れる。
腹を打つビタビタという音が酷く滑稽だ。
「あ゛、や゛ぁああ……っ!!! だひたい、せーえき出したぃ……!」
頭を振りたくり子供が愚図るような幼い仕草で、バイコーンは淫語を口走る。
ドロドロに蕩けた表情は正気を失っているとしか思えず、唇を舌で突くともっとして欲しいと強請るように俺の唇を舐めた。
「淫乱だって認める?」
「認める、認めるからぁっ!!!」
泣き叫ぶみたいにバイコーンが大声を張り上げながら、またドライでイッた。
アナルの締め付けが良くなるからすぐに判る。
ヒクヒクと震え、反らされた喉を擽りながらバイコーンの耳元で囁く。
「じゃあ……―――って言って?」
「なっ! ……げ、外道ッ!」
「淫乱だって認めたなら言える筈デショ? まあでも言わなくてもいいや、一生このままだけどね。根本から腐り落ちたらバイコーンのペニスだって言って高く売ってあげるよ」
ニコリと笑った俺と反対に、バイコーンはその顔を泣きそうに歪めた。
可愛くて可哀想なその顔、たまらない。
もっと汚して、
もっと泣かせて、
もっといやらしくしたい。
「ひぎっ、いぁああ…あ、アッ!」
早くしろと急かすように後唇をつけば耳朶を擽る甘い嬌声が響き、ホロホロと零れた涙で頬を濡らしたバイコーンがこちらを睨む。
縋る必死な瞳が可愛くて、つい手心を加えてしまいそうになるが、俺は彼に逃げられないように言霊で縛りたい。
人と違い嘘がつけない神話生物は、口にしてしまったらそれは遵守するべき事に変わる。
まるでそれは呪いのように
まるでそれは誓いの言葉のように
「早くして」
「……っ!」
助けを求めて縋った手を乱暴に振り払われるような絶望。
ギュッと閉じられたバイコーンの瞳から宝石のように煌く涙が伝い、俺はその奇跡のような光景に見惚れた。
「俺の……」
「もっと大きな声で」
追い詰める言葉にバイコーンの喉がヒュッと嫌な音を立てる。
ああ、早く堕ちておいで。
「お、俺の淫乱で変態なケツマンコを、ユニコーンのおちんぽでいっぱい突いてしてイかせて下さい……っ!」
「ふふ、いいよ」
バイコーンの根本を締め付けていた拘束の傍でパチンと指を鳴らすと、今まであった拘束が嘘のように空気に霧散して消える。
「は、……ぁあ、うぁ……、出なぃい」
切なそうに腰を蠢かせるバイコーンは、拘束が消えたのに射精出来ないと涙声で訴える。
処女というだけではなく、バイコーンなのに性的に疎いのかもしれない。
「こっち擦らないとイけないよ。ほら、前も後ろも擦ってあげるからね」
「うん……、あっ、ああ…ぁ…んっ!」
締りのいい後唇にペニスを突き入れながら、雄々しいバイコーンのペニスを擦る。
やはり性器への直接刺激は気持ちよさが段違いらしく、バイコーンの口から零れる喘ぎも大きい。
「はひ、い、ぃ…、あぁあ、あ」
擦り上げたペニスの先からは精液交じりの濃い先走りが、まるでお漏らしのように垂れている。
これはもう間もなく、絶頂するだろう。
いままで優しく気持ちのいい場所を突いていた腰の動きを荒々しい物にシフトすると、ジュプジュプといやらしい水音を立てて、後唇が鳴る。
抜ける程引き抜いて、最奥まで一気に貫いた。
「あ゛、あっ、あ、イク、イク、イっちゃうッ!」
「俺も、…、クッ!」
握っていたバイコーンのペニスがビクビクと震え、その先端から激しく精液が零れ地面を打った。
しなやかな身体がグッと反ったかと思えば、激しい締め付けと同時にペニスを甘くしゃぶりこまれる。
「ぅあ……、あ、中……」
いまだ射精を続けるバイコーンの最奥に、自らの子種をぶちまけた。
俺の方もあまりの興奮と気持ちよさに射精が止まらない。
バイコーンの甘い嬌声を聞きながらの長く気持ちのいい射精は続き、自身の玉を揉み解し最後の一滴まで体内に注ぎ込む。
バイコーンは注がれる感触すら気持ちいいのか、身体を震わせながらペニスの先から残滓を吐き出した。
「馬鹿、変態、嫌いッ!」
やりすぎて足腰フラフラなバイコーンは、床にぺたりと座り込みながら涙目で俺に抗議する。
そんな様子すら可愛いと言ったら益々切れるのだろう。
「俺は好き、淫乱、大好き」
「うるさい、この淫獣! 純潔の象徴とか言われてる癖に!」
「あったりまえだろ〜? 匂いで処女を嗅ぎ付ける俺達が聖獣なわけないジャン」
「開き直るな、馬鹿!」
顔全体を真っ赤にして訴えるバイコーンの頬に触れ、不思議そうにしている隙にキスをする。
「……ッ! な、何するんだ!」
「ちゅー」
「お、俺はもう処女じゃないだろ! どっかいけよ!」
「馬鹿言うな、元々男に処女膜なんてねぇよ。それに純潔っていうのははじめてな事じゃなくて、相手以外に貞淑な事を言うもんだ」
バイコーンの顔から音を立てて血の気がひく。
俺の言いたい事判ってくれたのかな、賢いねぇ。
「今度愛の証に俺の角でディルド作ってあげるね、先っぽ尖ってるのは危ないから削ってさ。ぶっとくて気持ちいいよ、きっと」
「い、いや……、いやだ」
「嘘ばっかり」
バッサリとバイコーンの言葉を否定する。
俺が彼に惹かれたように、彼が俺に惹かれた事にも理由がある。
「相手の不純すらまとめて愛してしまうお前達バイコーンは、不純で穢れたユニコーンを好きにならずに居られない癖に」
青褪めていた頬が朱に染まる。
どんなに口で嫌だと言っても心が惹かれ、身体はじくじくと疼く。
「お前の身体が白く染まるまで穢してやるよ」
ペロリとバイコーンの唇を舐める。
バイコーンは小刻みに震えながらゆっくりと唇を開き、俺のキスを受けいれた。
ふと視線を下したバイコーンの下肢は、勃ち上がりかけている。
奇遇だな。
俺もまだ足りない。
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