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◆短編
divieto2※R18

ズッ……―――

先端がめり込む。
衝撃に体が揺れる。
だが苦痛を感じたのは一瞬だけで、あとはもう快感。
1番太い部分が肉の輪を通り抜け内壁を擦りあげる。
最奥まで貫かれたと思うと、敏感な入り口まで引き抜かれる。
その途中で前立腺を刺激し、凄まじい射精欲に目の前に星がとんだ。
強弱をつけて腸内を犯される。
腕を縛られた状態にも関わらず、快楽を貪ろうとする体が自然と腰を揺らす。

「……っふ、――んっ、ふ……っ!」

口を塞がれているのでくぐもった喘ぎ声しか出ないがそれは良かったかもしれない。
もし口が開いていたなら警備員が飛んでくるのも構わず大声で喘いでいただろう。
結合部が白く泡立ち、グチョグチョとみだらな音が部屋に響き渡る。
今は誰もいないとはいえ、明日もここで大勢の人が仕事をする。
そんな場所で犯されている。
背徳感にゾクゾクした。

「…っ、部長、そろそろ俺イきます…っ!」

切羽詰った声で巽が訴えると、アナルを擦られた気持ちよさでもういつ射精してもおかしくない状態のペニスをきつく擦り上げた。
前と後を同時に擦り上げられ、凄まじいまでの快楽に身体を仰け反らせる。

(アァ…イクゥ……っ!!!)

自分のモノが膨らんだのがわかる。
その瞬間、あっけないほどに射精した。
ヒクヒクと体が痙攣する。
内壁が招き入れるように、搾り取るように収縮する。

「……っ!!」

小さく巽が喘ぎ、福本の中に放出する。
体内に熱い液体が勢い良く流れ込む。
しばらくの間射精が続く。
巽が射精の気持ちよさでビクンとたまに震えるのが、ペニスを通じて伝わってきた。
やがて全てを出し切り、萎えたペニスで腸壁に所有の証のように精液を満遍なく塗りたくると、満足したかのように体内から出て行った。
ペニスと一緒に中出しされた精液が掻き出され、不気味とも言える感覚に身震いした。

――――――――――――――

口のタオルを取り出し、ネクタイを外す。
開放された腕は身を捩ったため少し紅くなっていた。
少し足を開くとまだ巽の精を含んだままのアナルに手を伸ばす。
指を2本入れると左右に割り開き、もう片手の中指で掻き出す。
重力に逆らわずトロトロと流れ出てきた精液をさっきまで口に入れていたタオルで受け止める。
ここで全て出し切るのは不可能なのである程度出し切って、タオルの汚れていない部分で襞を拭き清めた。
いつまでも下半身を丸出しにしているのは恥ずかしいので自分の服を探す。
しかし良く慣れた部屋ながら、薄暗いこの状態ではどこにあるのか見えなかった。
この部屋にあるのは確かなのだが…。

「どうぞ」

聞きなれた声がして、横から巽が何かを差し出している。
どうやら福本の服を探して持ってきたようだ。

「ありがとう」

短く礼を言い、手早く服を着る。
裸でも寒さを感じる季節ではなかったが、服を着ると少し冷えていたらしく暖かさにほっとした。

「部長…」

巽が真剣な表情で福本を呼んだ。
そして後からギュッと抱きしめて耳元で呟く。

「普通に部屋でしましょう?」

「嫌だ」

キッパリと拒否する。
その声は先ほどまで弱々しくしていた男の物とは思えないほどハッキリと自己を主張した。

実はこの会話、日常的に2人の間で討論される。

オフィスで変態的なセックスをするのが好きな福本。
部屋でいちゃいちゃラブラブしたい巽。

「3回に1回…、5回に1回でもいいですから部屋でしましょうよ。
 もっとこう恋人ーって感じの…」

福本の事が好きだから本当は砂糖菓子のように甘くお姫様のように扱いたいのに、もっと虐めてという要求をする目に逆らえず言葉で虐め、時には肉体を傷つける。
そんな関係から脱却したいと熱く語る巽。
冷たい視線を送る福本。

「だから嫌だって言ってるだろ、そんなに嫌なら別れるか?」

うんざりという口調で吐き捨てる。
福本は自分の性癖を良く分かっている。
そして快楽に従順、そして即物的だった。
オフィスでするのが1番感じるのにそこ以外でするのは無駄だ。

一応肩書きこそ恋人な巽だが、突っ込む物あればいいというなんとも非道な考え方の福本を深く愛していたので…。

「……う、ううう、……分かりました」

といつも負けてしまうのだった。


変態でマゾで高慢で非道。
それなのにどうしても愛さずにいられない。
そんな巽もかなり変態だと言えた。


【divieto】
伊語:禁止、禁令

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