[携帯モード] [URL送信]

◆頂き物
沈也様からの頂き物4※R18
初めての恋に胸を高鳴らせながら、そろそろと幼い物ではあるが初めて自ら口付けを返す。
常葉はそれに軽く目を見開き、ふっと細めると

ずちゅん

「ひィい!?」

「うふ、落ち着いた?じゃあもうちょっと頑張れるよね、まだ満足してないんだ…っ」

「あ!や、うそ、待っれぇえ!」

ずっと止まっていた腰を先程の様に振り立て始める常葉にふいを突かれた丹鼓は防ぐ術も無く喘ぐ。
が、常葉の言った通り少しばかり余裕が出て来たのか先程の様に右も左も分からない程快楽に溺れる事は無い。
その生まれた余裕のせいで、周囲の状況が頭に入って来てしまった。

常葉の婀娜っぽい表情。艶やかに濡れた瞳。
端々が桃色にそまっている真っ白で華奢な身体。
淫らに上下、前後に動かされる柳腰。
そしてその双丘に咥え込まれている赤黒い己の性器。

「――――ひんっ…!!」

「っ!あはっ、大きくなったぁ…!」

漸く機能するようになった視界すら犯される。
相手に恋をしていると理解してしまった今では、心すら陥落してしまっていた。
身体が快楽に叫ぶ。
心が歓喜に捩る。
うっとりとした表情で常葉が腰を振りながら丹鼓の九尾の一本に手を伸ばし、先端から根本まで毛を逆撫でる様に撫でた瞬間、丹鼓の全てが弾けた。

「ア゙ッ!?やら、なんか、ク、る、〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!! あ゙っ、あ゙ぁあアああァあ!!!!!」

「んっ、あっ」

性器が膨れ上がり、すっと根本が冷える様な感覚の後、今までとは違う種類の快楽が丹鼓を襲った。
精を吐き出すのとは違う勢いのあるそれに白目を剥き、舌を力無く口から零した。
ブシッ、ブシッ、と何度も何度も噴き出るそれに合わせて腰を跳ねさせる。

「おしっこ、洩らしちゃった?んっ、あ、でもコレ違うかも。アハ、気持ち良すぎて、潮、吹いちゃったんだ?」

「ア゙ッ、ア゙ッ、ガッ」

「んふ、すっごい…ナカで潮吹いちゃいとか。こういう反応新鮮でほんっとう当たり、だよ、ねっ!」

「がぁあァあ゙っ!!! あ゙っ、アヒッ、アヒッ、アヘッ」

もっと楽しませてね?と妖艶に笑う狸に、九尾は成す術も無く犯され続けた。





「あーすっごい気持ち良かったぁ」

鼻歌でも歌い出しそうな程機嫌良く常葉は一人森を行く。
あれから白目を剥きだらしない顔をして失神した丹鼓を満足するまで堪能し、適当に処理を済ませるとすぐに祠を後にした。

「んふふ、同じのは二度食べない主義だったんだけど、あれならもう1回くらい食べても良いかなぁ」

そう呟きながら、それは無いかと苦笑を零す。
いくら人が良いといっても相手は九尾だ。目が覚め、良いように弄ばれたと知れば怒髪天を突く程怒り狂うに違いない。
もう一度食べるどころか、数年はこの山から離れ身を隠す必要があるだろう。

「でもそれくらいする価値はあったなぁ」

回想に浸り、うっとりと唇を綻ばせるが今はそうしている暇も惜しい。
逃亡の陸路に歩を進めていると、一陣の強風がぶわりと吹き足元の木の葉を巻き上げ視界を奪った。
ぎゅっと目を瞑った瞬間、誰かに抱きしめられて身体を強張らせる。

まさか、いやでも回復が早すぎる。
瞬時に過ぎった思考を否定するが、耳元で囁かれた言葉がそれを無情にも肯定した。

「ああ良かった、探した…常葉殿」

それは今まさに逃れて来た九尾の物で。
しかし怒りに満ちた物では無く、喘ぎ過ぎて掠れてはいるが甘い響きを持っている物だった。

「目が覚めたらどこにも居なかったから驚いて…。常葉殿も疲れているでしょう?どこかお急ぎの用事でも?そんなの、私に任せておけばいいのに」

すり、と首筋に埋める様にした頭が擦り付けられるが、一体どんな言葉を口にすれば良いか分からない。
一体この九尾はどうしてこんなに甘く囁いているのだろう。

「に、丹鼓殿…」

「はい何でしょう!常葉殿」

名を呼べばくるりと身体を反転させられ、満面の笑みの九尾が目に入った。
目が覚めて傍に自分がいないと気付いてすぐに追って来たのだろう。
乱れた服も、髪もそのままで、情事の跡の色気を振り撒いている。
その色気に状況も忘れてムラッとしかけるが、まず聞かねばならない事がある。
――何やら、嫌な…。そう、どこか危うい嫌な感じがするのだ。

「怒って…いないんですか?」

「え?怒るって…、ああ、起きた時にいなかった事ですか?確かに寂しくはありましたけど、怒ってなんかいませんよ」

「いやそうじゃなくて!お…私は、貴方に無理矢理したでしょう?それも同じ男の身でありながら――」

「無理に“私”と言わなくても大丈夫ですよ、常葉殿。
先程の様な喋り方の方が私は好きですから。それにほら、番となる相手に遠慮は無用でしょう?
男だなんて気にしません。子を成す事を重視している訳では無いですから。気持ちさえあれば私はそれで充分なんです。
…もしかしてそれを気にして出て行ったのですか?…っ、ああ常葉殿…っ」

なにやら一人で感極まってぎゅう、と抱きしめられるが常葉はただの快楽主義者なだけで、丹鼓に対しての愛情は持ち合わせていない。

(それより何だ、番って)

明らかに話しがややこしくなっている事に常葉は青ざめた。
九尾の伴侶だなんてとんでもない。そんな事になってしまったら今の様に気楽に遊び呆ける事が出来なくなってしまうではないか。

「子については、どうしてもであれば、ほら。常葉殿は女体にでも変化できると言っていたでしょう?
それに私の力を加えれば一人くらいなら子は成せますよ。ふふ、きっと可愛い子でしょうね…!」

だてに九尾では無いですから、と楽しそうに笑う丹鼓と常葉は先程の時とは立場がまるで逆転している様だった。

「に、丹鼓殿」

とにかくこの腕の中から逃れなければ、と丹鼓の胸に突っぱねた腕をがしりと掴まれる。


「常葉殿…ずっと、離しません」


嬉しそうに笑った九尾の蕩けそうな程喜悦を湛えた瞳の奥に、危うい何かが揺らめいたのを見た気がして、常葉はとんでも無い物に手を出してしまったと遅い後悔をした。
そんな後悔は先に立たず、ふわりと九本の尾が二人の姿を周囲から遮ったかと思うと、その場から忽然と二匹は消えた。


その後、森の奥にある鳥居の奥は、何人とも踏み入る事は出来なくなったという。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!