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◆10万HIT CLEAR
正義×フェデルタ
「フェデルタ。君、思った以上に酒癖が悪いねぇ……」

頬についた傷跡を指でなぞると指先に赤い色がつく。
少し遅れて傷がズクズクと疼くように痛んだ。

フェデルタの事を全く信用していないセルヴァがつけた法枷を使う事になるとは全く思っていなかったが、これがなければ最悪病院送りぐらいにはなったかもしれない。
床に転がるフェデルタを見据え、用心深いセルヴァの性格に感嘆のため息を漏らした。

まあ、俺が騙して酒を飲ませた所為なのだが。

「……真実は」

「忘れた? 今日はセルヴァと出かけたよ」

「何故私は今、腕を拘束されている?」

「暴れたから」

「原因はお前だろうが」

暴力的な色を孕んだフェデルタの目は普段の穏やかさは消えうせて、眼光で人を威圧する。
出会った時のセルヴァよりも敵対の色が強いその瞳に、ゾクリと身を震わせ、笑む。

「だとしたらどうだっていうんだ? 今君は動けないし、助けも来ない。全ての決定権は俺にある」

「腕を抑えた位で私に勝てるとでも?」

器用に身を捻り起き上がったフェデルタは、獣のように身を縮めいつでも飛びかかれる体勢を取った。

元々天使は神の剣であり、その本能は戦闘に特化している。
普段の穏やかな性格も嘘では無いが、酒の力で出てきたこの性格こそがフェデルタの素なのだろう。

凶暴で、肉食の獣のようで、研ぎ澄まされた一振りの剣のようだ。
セルヴァがしなやかな細剣ならば、彼は重量感のある大剣。
お互い剣という戦う物特有の美しさを持ちながらも、持ち味が違う。

真正面から俺を見据えた姿に陶酔にも似た快楽を感じる。

「俺が、何も、手を打っていないとでも?」

芝居がかった動きで手をクルリと回すと、手の平に隠していたモノを主張するように見せ付けた。

別に俺は拘束したのが腕だけなんて言っていない。

「っ!」

劣勢を察しフェデルタは逃げの体勢に身を返すが、――遅い。

俺の腕から重力に逆らい飛び立った法枷はフェデルタの足首を的確に捉え、その動きを封じた。
バランスを崩した体躯はそのまま床に崩れ、無様に転がる。

「ぐっ……」

「いい格好」

身じろぐ身体を踏み躙り屈辱を煽ると、フェデルタが憎しみすら含んだ目で俺を睨んだ。
セルヴァの従順な瞳も大好きだけど、こういう凶悪な瞳もたまらない。

恥辱にまみれて逆らう気力が無くなるまで可愛がってあげたくなる。

「……遊びましょ?」

多分俺だけが楽しいんだけどね。



Yシャツのボタンを外し前を肌蹴させると鍛え上げられた体躯を露わにし、それほど時間も無いので焦らす事もなく下肢に触れる。
まだ萎えた状況なのに触れたそこは重量感があり、完全に勃起したらどんな大きさになるのか興味があった。

ズボンのジッパーを下して下着の隙間からペニスを取り出すと、力なく萎えたそれを指で軽く摘み上向きに持ち上げる。

「へー、萎えててもでかいね」

萎えたその状態でも平均的な日本人男性サイズほどあり、これが勃ちあがったらそれはそれは凶悪なサイズになるだろう。
その分硬度は少し低めだろうか?
性器の質的にはアジア人種よりも西洋人種に近いのかもしれない。

「何がしたいんだ」

「遊びたいだけだよ? 俺はフェデルタに突っ込みたいとも思わないし、突っ込まれたいとも思わないからね」

「奇遇だな、私もゴメンだ。ただし遊びたいとも思わない」

「酷いなぁ」

普段はそれなりに仲良くやっているはずなのだが、酔ったフェデルタは俺に冷たい。
いや冷たい所か嫌悪感すら感じているように見えた。

「お前みたいに破滅型の人間に付き合ってもいい事が無い」

「破滅型、ね。真実は違うのかな?」

「違う。破天荒ではあるがアイツは自分を大事にする。正義、お前は、お前の考え方は気持ちが悪い」

意外にちゃんと見ているようだ。
俺は人生を楽しくする為に自分の命を賭ける事を躊躇しない。
負ければ運が無かっただけと簡単に生を諦めるだろう。

「それが俺の生き方だ、ケチをつけないで貰いたいな」

「生物の本能から外れた存在が気持ちが悪い、私の価値観に文句を言わないで貰おうか」

結局平行線。
お互いの主張は激しくぶつかり、傷付けあう事はあっても交わることはない。

だがそれでいいのだろう。
だからこそ俺はセルヴァを選び、フェデルタは真実を選んだ。

「だけど俺はフェデルタを気に入ってるよ」

「私はお前が恐ろしい。自分すら平然とコマにする執着の無さが」

クスクスと声を出して笑った。
天使や悪魔と比べて脆弱な人間が恐ろしいなんて笑ってしまう。

「大丈夫だよ、俺の世界はセルヴァで完結しているから」

「なら私に手を出すな。私の全ては真実のものだ」

「……君も随分と破滅型に見えるけどね」

己の全てが神のものだったのから、全てが真実のものになっただけ。
彼の価値観はまだ以前と大差ない。

「手なんて出さないよ。ただ少し遊ぶだけ」

フェデルタの膝の上に乗るとベルトを緩め、少しだけ硬くなった自身を取り出し、フェデルタのペニスの裏筋をなぞるように擦り付けた。

「……ッぐ!」

「ふふっ、いい反応。感じやすいなぁ……」

自分のペニスと一緒にフェデルタのペニスを握り、腰を緩々と揺らめかせる。
堪えるような声を漏らしながら必死で快楽を感じないようにしている顔が酷く艶っぽい。

次第に手の中で硬くなっていくペニスに言いようの無い征服感を覚えて、知らない内に口に歪んだ笑みを浮かべていた。

セルヴァにするみたいな甘やかし交じりのセックスとは違う、その者のプライドを傷付ける為の性行為。
だけど1番楽しい場面は俺には見る事が出来ないだろう。

本当に彼が壊れるのは、真実を失った時だろうから。

だから俺は彼で遊ぶ。
セルヴァが居ないから丁度いい位置にある手軽な玩具で遊ぶ。

「ぃ……あ、くぅ…っ!」

手の中でヒクヒクと震え、先端の穴からトロリと蜜を零したフェデルタはもうイきそうなのだろう。
口から零れる吐息は熱く、玉もキュッと上向きにあがっており、揺れた身体も敏感に快楽を感じ取っている。

だけどまだ俺は満足していないから。

「ヒグッ?!」

フェデルタが身体を反らし、衝撃に身を揺すった。
ギチギチと音が鳴る程にきつく拘束されたペニスの根本を指でツゥ…となぞる。

見開かれた目には困惑の色が混じっていて、そんな瞳で見られると俺が先にイってしまいそうだ。

「あれ、言ってなかった? もう1個あるんだよ」

シャランと音を立てた拘束に、フェデルタの身体が揺れた。
そんな彼の顔を見て、俺は充実感に震える。

もう少し、俺と遊ぼう?



黒猫邸様リクエストありがとうございました!
いつもと違って少しダークな気がしますが、楽しんでもらえたら嬉しいです。

非常にわかり辛いですが、フェデルタを酔わせたら暴れ出したので、拘束してついでに悪戯してしまおうというお話。
酔っているためフェデルタの性格が強気ですが、相変わらずやられキャラだという悲しさ、頑張れ。

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