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初めての恋と書いて初恋と読む
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 ピピピッピピピッ

 コンコンっ


「あ、あの……!」


 ピピピッピピピッ

 コンコンコンっ


「ひゅ、日向くんっそろそろ起きないとっ……。」


 あ〜うっせぇなぁ……。


 バンッ!!


「ひぃぃっ!!」


 叩くように目覚まし時計を止めるとドアの向こう側から怯えた声が聞こえてきた。

 なんだと思ってあたりを見渡せば。自分の部屋より狭くて見慣れない風景で。


「……あぁ、ここ寮の部屋か。」


 あの後、クソ野郎に今度こそ案内して貰って寮に着いたはいいが、いろんな意味で疲れきった俺はさっさと寝たんだった。

 起きたら夢でしたー。なんてことは全くもってなかったわけで。

 覚醒してきた頭で理解すると上体を起こし、固まった筋肉を解すためグッと背伸びをする。

 コンコンコンコンっ


「あのっ、日向くん!そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ!」
「わーったわーった!ほい起きましたよっと」


 目覚ましは止まっても部屋の扉の向こうからの声とノックは止みそうにない。

 とりあえずうるさいので起きたまんまの姿で扉を開けば。


「ひゅ、日向くん!いくら春だからってちゃんと服着ないと風邪引いちゃうでしょ!?ほら、制服どこ?……はい、これ着て!もーー!シャツはズボンにしまう!ボタンはちゃんと閉める!ネクタイ自分で出来る?あーもう!ちゃんとネクタイ閉めてっ!日向くんなかなか起きないから先に朝ご飯食べちゃったけどサンドウィッチ持ってきておいたからね!ほらほら、顔洗って歯磨いて来なさい!」
「お、おかーさん。」
「お兄ちゃんです!!」


 さいですか。


 

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