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初めての恋と書いて初恋と読む
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 奴だけだと思っていたがどうやら他にもドアが並んでいる。

 そりゃそーか。もしかしたらスウィートルームみたいなもんで、金を多く払えばこの階になるのかもしれないな。

 ドアに表示されている数字を確認しながら進めば、801号室は一番端だった。

 一応インターフォンを押してみたがどうやら留守らしく、カードキーを使って勝手に中に入った。

 いたらいたで良かったけど、いないなら暇つぶしに部屋を物色してやろーと思ってな。


「広っ……。」


 入った瞬間に分かるくらい俺らの部屋より広かった。

 廊下の感じからしてなんとなく予想はしてたけど。

 他人の部屋ってちょっとワクワクするよな。生活感が見えるっつーか。

 生徒会長って高嶺の花とか頭脳明晰とかいろいろ言われてるみたいだけど、部屋の中はふつーの男の部屋って感じがした。

 あ、ふつーよりちょっと高級感があるけど。

 きっちり片付いてるわけでもねーし、だからといって汚くはない。

 ソファーの上に上着が脱ぎ捨ててあるくらいか。

 テーブルの上には読みかけらしいファッション雑誌と、灰皿が……。

 吸うのかよ。生徒会長のくせに吸うのかよ。

 とりあえず 部屋の中にある扉を開けまくってどうなってるか確認してみた。

 どうやら一人部屋みたいだ。寝室が一つしかない。無駄にデカイベッドがある部屋とリビングと風呂とトイレがあった。

 因みにベッドの下を覗いてきたが何もなかった。つまんねーの。

 ではまずリビングに置いてある大きめの棚から物色するか。

 そこには本とCDとDVDがずらりと入れてある。

 すげーな。まるで家の部屋並みだ。


 

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