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初めての恋と書いて初恋と読む
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 けど、ここじゃあ俺は不評なんかなー?

 嫌われてる感じはないと思うんだけど、誰も声かけてこねぇ。

 容姿には自信あるし男同士が普通なら、もう少しお誘いとかあってもいいと思ってたんだが。

 今まで自分から行かなくても不自由してなかったせいか、誘うっていうのがどうも苦手だし誰選べばいいか分かんねー。

 それに性処理に関して危機的状況だ。

 だから……。


「せっかくのお誘いを断るってのも、ね。」


 ニヤリと口を歪めてカードをズボンのポッケに突っ込んだ。

 中身は最悪だが、見た目は申し分ねーしな。

 あいにく俺は人を好きになったことなんかねーし、玲輝が心配するよーなことはないだろ。

 向こうが飽きるまで遊ぶって言うんなら、こっちも楽しませてもらおうじゃねーの。

 時間的に少し早いかもしれないけど、自室を出てエレベータに向かった。


「これ使うのか?」


 エレベータの中で先ほどしまった金色のカードを取り出す。

 これがねーと最上階まで行けねーって言ってたから、どっかに使うんだろう。

 試しに一番上にある8の数字を押して見ても反応がなかった。

 カードには部屋番号が記されているから奴の部屋は801号室だ。

 エレベータ内のボタンの近くをよく観察していると8のボタンの更に上に細い溝を発見した。

 カードを通したらピッと音がした。


「おお。つーかなんだよこのシステム。」


 再び8を押したら今度はエレベータが動き出した。

 なんであいつだけこんな特別みたいな扱いなんだよ?まさか会長だからとかじゃねーよな?

 しばらくして扉が開くと目の前の光景に口を開いたまま固まった。

 どう見ても俺たちの階と比べると高級感が溢れている。

 しかもなんだこれ、爽やかな香りつきだぜ。


 

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