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初めての恋と書いて初恋と読む
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「ああ、あれカードキーだったのか。」


 俺のや玲輝も颯斗も銀色なのになんで色が違うんだ?学年別?

 それも謎だが最上階まで行けねーって、なんのことやら。

 呑気に考えていたら前の方からガタリと音がした。

 玲輝が席を立って歩き出していた。


「ちょ、待てって……。」


 俺をここに置いてくなっ。

 まだ飯は少し残ってたけど、まぁこのくらいいいやと思って慌てて追いかけた。


「……気ィつけろよ。」
「なにが?」


 玲輝に追いついて隣に並んだところでそう声をかけられた。


「あいつ。イケメン好きで、かなりしつけー。」
「へー。誰だか知ってんの?」
「……有名だろ。」
「でもさぁ、玲輝は?イケメンじゃん。」
「…………。」


 好意持たれてるっつーのは分かるがさっきは俺にしか話しかけてこなかったし。

 そーいやあいつが話しかけてくる前から玲輝の機嫌が悪くなったな。

 なんかあったのか?

 なんか……?


「あ、もう手を出され……。」
「ざけんな、未遂だ。」


 玲輝の機嫌がより一層悪くなってしまった。

 なんだ、未遂か。なんかあったらちょっと面白かったのに。


「でもさっきは俺にしか話しかけてこなかったよな?玲輝のこと諦めたのか?」
「いや、飽きたんだろ。1人に絞って追っかけ回すやつだ。……で、今のターゲットがひなた。」
「……なーる。」
「遊びなら別にいーけどよ。本気にはなんなよ。ま、関わんないのが賢明だな。」
「なんで?」
「束縛して、その気にさせといて飽きたらポイ。……昔、俺の前にターゲットにされてた奴が嫉妬に狂って突っかかって来やがった。」
「うわーいろいろめんどくせぇ。」


 

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あきゅろす。
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