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初めての恋と書いて初恋と読む
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「ひーなーーたあああああっ!!!」


 バーンっ!!という音と、部屋に響くうるさい声。


「きゃっ!?」
「……ンだよ。」


 突然のことに小さく悲鳴を上げる隣の女と寝起きで掠れた声を出す俺。

 朝日が差し込む部屋に裸の男女がベッドを共にしていたら何があったかなんて一目瞭然で。


「……っ!君、息子とだーいじな話があるんでね。今日はもう帰って貰えないかね?」


 こんな美人を見ても取り乱さずに冷静な判断を下す親父は流石だな。さりげなく後ろを向く姿が紳士的だ。

 なんて感心してる場合じゃねぇな。だーいじな話って、嫌な予感しかしねぇ……。



**********



「まったくお前と言う奴は!!ほっといたら夜遊びに飲酒、喫煙、喧嘩、女か!そんな子に育てた覚えはありません!」


 先程の女はそそくさと帰り、俺はパンイチで説教なう。

 ちなみにボクサーです。いやそんなことより、親父は仕事が忙しくてあまり家に帰ってこないのになんでバレたんだ。

 家の使用人は告げ口するような奴じゃないはずなんだが。


「……というわけだからな!」
「え?」


 あ、やべ。話まともに聞いてなかったわ。


「はぁ……。だからな、お前は東雲学園に転校だ。」
「は?どこそこ、なにそれ?」
「ちょっと遠いとこにある男子校だ!しかも全寮制!一番近い街からも離れてるからな、不良息子には最適な環境だはははははははは!!」


 と、盛大に笑いながら去っていった。

 いや、ちょっと待て……。


「はぁああああ!?」


 俺の青春が呆気なく終わった高2の春。


 めでたしめでたし……じゃねぇしっ!!



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