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初めての恋と書いて初恋と読む
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「自由だぁーーー!!」


 青い空、白い雲、ほんのり暖かい春風に目の前に広がる森。

 これが叫ばずにいられるかってんだ。

 やっぱりサボリと言えば屋上だよな!


「……お前なんでこの学園来たの?」
「来たくて来たわけじゃねーよ、ムリヤリ。」


 フェンスの向こう側に向かって叫ぶ俺に声をかけるのはもちろん西城。

 トイレなんてのは真っ赤な嘘で。教室から出た後、俺はもしかしたらと思って西城に聞いたのだ。


「うめぇ〜、久しぶりだわ。うめぇ〜!!」
「はっ、大袈裟な奴。」


 ふーっと口から紫煙を吐き出す。

 そう、タバコだタバコ。此処にくるとき親父に全部没収されてしまったんでね。

 俺の予想通り西城はタバコを持っていた。しかも俺と同じやつ。こいつとは気があいそうだな!


「ほら、灰皿。」
「お?おう。」
「吸い殻その辺に捨てんなよ。バレると厄介だ。」
「ああそーゆーこと。」


 携帯灰皿なんか持ってて偉いやつだなーなんて思ったが、見つかると徹底的に調査が入り厳重な処罰が待ち受けているらしい。

 この学園、救いと言えば頭髪やアクセ自由なところか。

 っていっても俺らみたいに派手な奴はいないみたいだけど。


「雨宮と仲いーのか?」


 屋上にあったベンチにゴロンと横になれば、西城はフェンスにもたれかかり空を見上げながら話しかけてきた。

 仲いいのかって聞かれてもなぁ。


「まだ会ったばっかだし、同室ってだけで……まぁ、話しやすい奴ではあるな。」
「そうか。……アイツと仲良くしてやってくれねぇか?」
「あん?」
「アイツ友達いねーんだよ。俺と関わっちまったからな。」
「あー…。」


 


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