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初めての恋と書いて初恋と読む
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 にしても……間近で見るとほんと酷い頭だ。

 一応お洒落に気を使ってる俺としては見過ごせない。

 せめて絡まった髪を少しでも解いてやろうと、スっと手を伸ばしたら。


「あっ!触んな!これ作るの大変だったんだぞ!」


 バシッと叩き落とされた。


「はっ?……これわざわざ作ってんの?」
「おうっ!コームでさ、こう、逆立てて。」
「ぶっ……くはははははっ!え、なに、それ、まさか盛ってるつもり?おまっ
……くくっ、てか、時代遅れだしッ下手クソすぎッ……。」
「いやいや、芸術的だろ?」


 自分の髪を大事そうにふさふさ触れながら言う姿が面白すぎてもうダメだ。腹筋破壊された。

 腹を抱えて笑いすぎた俺は力尽きて机に突っ伏してからもしばらく笑い続けた。

 ようやっと収まってきたところで濡れた目元を拭い、体を起こした。


「つーか、お前さ、担任に名前で呼ばれてただろ?知り合い?」
「いや。初対面から名前だったぜ。そういう先生じゃねーの?」
「ふーん。あいつ普通に苗字で呼ぶやつだけど。謎だな。」


 黒もじゃにも理由は分からなかったみたいで不思議そうに首を傾げたが、何かを思い出したのかはっとした。


「そーだ!おまえ!名前はっ!?」
「ひなた。日向日向。」
「そっか!よろしくなっ!ひなた!」


 先程よりも声のボリュームを上げておそらく満面の笑みだろう顔で言い放った。

 いやお前もいきなり名前呼びかよ、と思ったが意外と面白いやつだし嫌な気はしない。仲良くするなら名前の方がいいしな。


「よろしく、真澄。」


 同じく笑顔で返したら、クラスメイトのきつい視線が刺さってきた。やかましいな。




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あきゅろす。
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