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虎ぶる!!
14


 そうだ、神崎が言ってた。確かラージはその後……。

 まさか、あのラージが?強引で図々しくて、そんなこと気にするような奴には思えねぇ。

 そもそもラージはいつから人間になったんだ?

 てっきり、最近人間になって行く宛がないから家の前に倒れてたんだと勝手に思ってたけど。

 そーいや俺、ラージのことなんも知らねー……。

 俺は掴んでいた腕を離してガキの頭をぐしゃぐしゃに撫でた。


「強くなりゃいーだろ。やられたらやり返しちまえ。」
「……ウッ…………。」


 俺には気を遣うとか上手くフォローしてやるとか出来ねぇけど、それでも何か言ってやりたくなってそんなことを言っていた。

 俺はまた走り出した。

 一刻も早く帰りたかったけど、少し寄り道をしてから家に向かった。

 そっと部屋の扉を開けて中に入る。

 走ったからか緊張からなのか、額を伝う汗をグッと腕で拭ってソファーの上にいる虎に向き直る。


「ラージ……。」


 呼び掛けてもやはり反応はない。けど俺はかまわず言葉を続けた。

 
「俺さ……えと、ラージのことカッコいいと思う!」


 何言ってんだ俺。って自分でも思ったけど、ラージの尻尾の先だけがほんの少し動いた気がした。


「その、前から思ってたけどさ!顔とかすげーイケメンだよな!」


 そう言うとまた、ふわりと尻尾が反応する。


「それに、体の模様とかちょっとカッコいいなとか思ってて、背高いしさ!あっあと、毛がふさふさしてて触り心地いいしっ。」


 俺が褒める度にラージの尻尾がふさっと動くのが面白くなって、とにかく褒め言葉を口にした。

 ……今なら言える気がする。

 多分、ラージが一番気にしてること。


 

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あきゅろす。
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