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虎ぶる!!



 通話ボタンを押しながら耳に当てて、すぐに離した。


『おー!晃っ!!晃がでたーー!!』
「っるせぇ!」


 耳元の大音量に頭の中がキーンと響いて顔を顰める。

 出たー!ってなんだ俺は珍獣か!

 って思ったけど言いたいことは分かる。

 最近は、ラージがいつも触ってくるせいで電話きてもすぐでれねぇんだよな。

 だから後で気付いてこっちから折り返すことが殆どになってた。

 多分今回も着信だけ残しておこうとか思ってたに違いない。


『ちょうどいいや、今暇?カラオケいこーぜ!』
「……分かった。」


 いつまでもここにいてもしょーがねーし、ダチと遊んだら気が紛れるかなと思ってそう返事をして電話を切る。

 残りのジュースを飲み干して会計を済ませると、ダチのいるところにむかった。


**********


「晃ー、まだ帰んねぇの?」
「えっ?」


 ダチとカラオケ行ったりゲーセン行ったりして夜中まで遊んだ後、コンビニの前で座り込んで雑談しているとそんな話を持ちかけられた。


「最近夜になると帰ってたじゃん。」


 言われてみれば、今まで夜中まで遊んでたり朝に帰ることが普通だったんだよな。

 変わったのは、虎を……ラージを拾ってからだ。

 出掛けるときはいつもラージが早く帰ってこいって言うから……。

 今日は……言われなかった……。


「……今日は、いい。」
「そっかー!晃とこうしてんの久しぶりだなー!」


 嬉しそうに笑ったダチは手に持ってた煙草を口にくわえる。

 俺の手には缶ジュースだけ。

 煙草もやめたんだよな……ラージが嫌がるから。

 
 

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あきゅろす。
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