虎ぶる!!
7
朝起きてからももちろんだけど、なにかとキスやらボディタッチやら。そしてそのまま先に進むことなんかザラで。
いつも一緒に寝てたから一人で寝るのは久しぶりな気もする。
俺はベッドから降りて、そろそろラージの機嫌も直ってるだろうと寝室の扉を開けてみれば。
「…………。」
まだソファーの上に伏せたままだった。
すごく、ものすごく声をかけづらい……。
ラージは虎だから耳や鼻とかがいいらしい。
俺が扉を開けた音に気付いてるはずだ。いや、俺が歩く足音でさえ気付く。例え寝てたとしても。
なのに何も反応がないってことはまだ機嫌わりぃのかな?
それなら今日は何処かに出掛けてしまおう。ここにいても気まずいし。
ラージの横をそそくさと通り過ぎてもう一つの部屋に向かった。
膝まであるジーンズと半袖に着替えて、壁にある全身鏡の前に立って目の前に映る自分を見つめる。
そろそろ髪染め直そうかな。根元が黒くなってきた。
今は金髪だけど、もっと色抜いて白っぽくしたら……いやいや、何考えてんだ俺。そんな、ラージとお、お揃いみたいな……いやいやいや。
ほら、あれだ。白髪に黒いメッシュ入れたらかっこいーかも……とか……。
「出掛けよ……。」
ポケットに財布と携帯を突っ込んで、廊下に続く扉へと向かった。
扉を開けて部屋を出ようとして、立ち止まる。
少し迷ったけど。
「……出かけてくる。」
振り向かずにそれだけ言って扉を閉めた。
家の廊下を歩きながら使用人に電話をかける。
『……どうされました?』
「俺出掛けるから虎の飯頼んだ。」
『えっ…………。』
「んだよ?」
『い、いえ。それはいつも神崎がやってるじゃないですか。』
「……。」
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