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虎ぶる!!



 朝起きてからももちろんだけど、なにかとキスやらボディタッチやら。そしてそのまま先に進むことなんかザラで。

 いつも一緒に寝てたから一人で寝るのは久しぶりな気もする。

 俺はベッドから降りて、そろそろラージの機嫌も直ってるだろうと寝室の扉を開けてみれば。


「…………。」


 まだソファーの上に伏せたままだった。

 すごく、ものすごく声をかけづらい……。

 ラージは虎だから耳や鼻とかがいいらしい。

 俺が扉を開けた音に気付いてるはずだ。いや、俺が歩く足音でさえ気付く。例え寝てたとしても。

 なのに何も反応がないってことはまだ機嫌わりぃのかな?

 それなら今日は何処かに出掛けてしまおう。ここにいても気まずいし。

 ラージの横をそそくさと通り過ぎてもう一つの部屋に向かった。

 膝まであるジーンズと半袖に着替えて、壁にある全身鏡の前に立って目の前に映る自分を見つめる。

 そろそろ髪染め直そうかな。根元が黒くなってきた。

 今は金髪だけど、もっと色抜いて白っぽくしたら……いやいや、何考えてんだ俺。そんな、ラージとお、お揃いみたいな……いやいやいや。

 ほら、あれだ。白髪に黒いメッシュ入れたらかっこいーかも……とか……。


「出掛けよ……。」


 ポケットに財布と携帯を突っ込んで、廊下に続く扉へと向かった。

 扉を開けて部屋を出ようとして、立ち止まる。

 少し迷ったけど。


「……出かけてくる。」


 振り向かずにそれだけ言って扉を閉めた。

 家の廊下を歩きながら使用人に電話をかける。


『……どうされました?』
「俺出掛けるから虎の飯頼んだ。」
『えっ…………。』
「んだよ?」
『い、いえ。それはいつも神崎がやってるじゃないですか。』
「……。」


 

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あきゅろす。
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