貫く男心(2/5) 「じゃあ、次の娘。 あの娘はどーだ?」 「「ん〜」」 「まぁ、可愛いんだけどよ‥」 「「う〜ん」」 唸る大楠に高宮。 「なんだよ、ハッキリしねーな」 あーと声をあげる大楠。 「アレだな。 確かに可愛いんだけど、 ハッキリ言ってめちゃくちゃ好みの娘はいなかったな」 「ハルコちゃんの方が可愛いな」 「あ、やっぱり? それは俺も思ってたな」 洋平は苦笑いしながら答える。 「やっぱ、大楠が求めてるよーな美人はいないのかなぁ」 三人はそれぞれ腕を組みながら、うーむと唸っている。 すると、高宮が何か思い付いた様に声をあげた。 「なんだよ、高宮」 「俺達一通り回ったけど、 チュウいなくなかったか?」 「そーいやぁ」 「何処行ったんだ?アイツ」 キョロキョロと周りを見渡すと、 後ろに見えたチュウの姿。おーい!とか言いながら、こっちに走って来る。 「あっいた」 「なんか手ェ振ってんなぁ」 「‥振り返してやれよ。 おーい!チュウ! どーしたんだよ?」 こっちまでたどり着くと、 ぜいぜいと息を切らすチュウ。 「はぁ‥、あっちに、すんげーえ可愛い娘いた」 「マジかよ」 「ああ。 この勝負俺の勝ちだな!」 キラリっと歯をだして勝ち誇った顔で笑うチュウ。 「わかんねーな。 俺達がこの眼で見るまではな」 「チュウの妄想だったりして」 「なにおうっ! 俺の眼を疑ってるのか!?」 ギャーギャーと騒ぐチュウと二人に、 洋平は、 はぁ、とため息をもらした。 「おいおい、んなこたぁ良いから、 早く案内しろよ。 妄想かどーかそれでハッキリすんだろ?」 「そりゃねーよ、 洋平〜」 ははは、わりぃわりぃと答える洋平。 なんだかんだと言いながら、 チュウに案内されて、 三人はさっき通った校舎裏に連れていかれた。 . [*前へ][次へ#] |