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散雪華〜貴方と共に〜
壬生の屯所

「なあ…」

「150年前かあ。…て本当かなあ」


「おい!聞いてるか?」


肩を叩かれて初めて、私が呼ばれていたのだと気付いた。

「はい?えっと…呼びましたか?」

その人は私の事を上から下までじっと眺めていた。

私が振り向くと今までの人と同じような目で私を睨みつけてきた。

「あの…なに「異国人か?」



はい…?異国人??

日本語ばりばりしゃべってんじゃん


「見ての通り日本人ですけど…」

「じゃあ、その格好はなんだよ?」


その格好と言われても、私が今着ているものは普通の制服だ。

「どっからどう見ても異国の服じゃねえかよ!何処が日本人だよ!?」

「日本語喋ってるじゃないですか? それにこの格好は普通だと思うんですが…」

「普通?そんな装いするなんて何処の藩だよ!?」

「はん?」


「ああ!もういいよ!とりあえず俺と一緒に屯所まで来て!」


なんつう強引な…

でも、他に頼れる人もいないし、仕方ない。


私は藤堂平助と名乗ったその男の子と一緒に屯所まで連れていかれた。


ー処変わって、壬生の屯所

これは軽く自慢だけど(さっきはバカなとこしか見せてないからね)、私は歴史はそこそこ得意科目だった。

だからさっきの男の子が“藤堂平助”と名乗り、屯所まで来た時に分かった。

「…新選組。」

「ん?なんか言ったか?」


前を歩いてた藤堂さんが私の方を振り向いたけど、何でもないです。と言ってスルーしてもらった。


屯所についた時、私の腕には縄が付けられ、持っていたバッグはどこかに持っていかれてしまった。

「土方さん。入るぞ。」

「ああ。」


中から短い返事があったので、藤堂さんが私を連れて土方さんの部屋に入った。

返事はあまりそうではなかったが、私の姿を見た途端、土方さんの顔が険しくなり、藤堂さんと同じように私の姿を上から下まで疑わしそうに見たのが分かった。


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