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散雪華〜貴方と共に〜
二人に告ぐ事実
「で、どうする?」


土方さんが私に向き直り、小声で聞いてきた。


「女であるという事、ここに来た経緯は話そうと思います。 それ以上は、まだ…」

「そうか。俺は構わねえ。」



「山崎さん、島田さん。私、お二人に話していない事があるんです。」

いきなりの私の言葉に、二人は姿勢を正して向き直ってくれた。


「まず、私は男ではありません。 今は新選組という組織の中にいますからこのような格好をしていますが、中身は歴とした女子です。」

二人が本当に驚いた顔をしていたけど、まあ当然の反応だろう。けど、この二人は信用できる。未来でも、監察としての功績が語られているから。


「私がお二人になぜこの事を明かしたのか不思議でしょう? 私にはもう一つ秘密があるんです。」

「秘密…?」

「ええ。私はこの時代の事を知りません。いえ、頭では分かっています。 私はこの先の未来の事も分かるんです。」

「「…!?」」

「私は、150年くらい先の世界から来たんです。もちろん、新選組の皆さんにはご承知の上で置いて頂いています。」

「ひ、土方副長。今の一葉くんの話は…」

「ああ。本当だ。俺たちも最初は驚いた。けどな、こいつの話しは的を得てる。だから、俺らも信用している。」


「…副長がそう仰るのなら、俺がとやかく言う事はありません。 それに、一葉くんの剣の腕は凄まじいものでした。」

「はい。 それに俺たちは一端の隊士でしかありません。隊の意向には従いますよ。」


「ありがとうございます。山崎さん、島田さん。お二人ならそう言っていただけると信じていました。」


「そういやさ。お前、出会った頃となんか雰囲気変わったよなー? 落ち着いたって言うか…。」

「ええ。こっちが本来の、というか家の中での私なの。学校とか、友達といる時は年相応と言うか、周りに合わせていたから」


隣で土方さんが怪訝そうな顔。

そうだね。言ってなかった。
私、こう見えても結構皆さんと年変わらないのよね。


私が後でこの事実を伝えた時、一番驚いていたのは予想通り平助だった。



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あきゅろす。
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