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「なぁ、抱いて良いか?」
怖がらせない様優しい声色で尋ねると
「痛・いのヤダ」
なんとも可愛らしい返事。マジハマる。
「良いよ。沢山甘やかしてあげる」
指先で髪を梳きながら優しく頭を撫でると
「痛・くしない・でね?」
小さな声が耳に入った。
クゥゥゥ〜っ!!俺今スッゲェ幸せ。
「好きだよ」
ニッコリ微笑みながら口付けると、紅くなりながら閉じられた瞳。
チュゥッ啄む様何度も甘い唇を味わう。ゆっくり唇をずらしそぉっと項に舌を這わした瞬間。ピンポーン、邪魔が入った。
チッ、なんだよ。今スッゲェ良い所だったのにさぁ。新聞の勧誘とかだったらタダじゃおかねぇからなっ!!!
「ちょっと待ってて」
フワリ微笑みながら部屋を出た。早く追い返して続き続き。足速に玄関に向かうと『なんでだよ?』土方が居た。
勝手に入るなと言う俺の声を無視し、遠慮なしに銀時の部屋に向かう土方。
お前コレある意味不法侵入だからな?
ムカついて追い返そうとしたが、取り敢えず様子を見る事にした。

ゆっくり部屋に消えて行く土方。なんだよ入れるのかよ部屋に。
仕方なしに閉まったドアに耳を近付けた。

最初は俺に抱かれた事を告白した銀時。さっきみたいに幻滅してすぐさま帰宅しろっ。そう考えたのに、何故か土方は銀時を抱いた。
ドアから聞こえるのは信じられない位可愛くて甘ったるい声。俺が抱いた時とは比べようもない位甘い声で。
「好・きぃ。土方大好きだよぉ・っ」
涙声で愛を囁く声が耳に入った瞬間、足元がガラガラ音を立てて崩れ落ちた。
物凄く悔しくて堪らない。俺はアイツには敵わないのか?こんなにも銀時を愛してるのに。銀時が愛してるのはアイツで。
直視したくない現実を叩き付けられ、俺はフラフラと銀時の家を去った。

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