[携帯モード] [URL送信]
V-U
「お前さっきなんで見てた?」
休み時間、屋上に行った銀時。
足早に追いかけ、声を掛けた。
って、なんで泣きそうな顔してんだ?

「見てない」

嘘だ。
ずっと感じてたんだぞ、お前の視線。

「見てただろ〜がっ」
「それにどうして、名前で呼んだ?」

一体俺達の間に何があったんだよ?
お前は知ってんだろ?
なぁ、教えてくれよ。
頼むから。

スッゴク聞きたくて尋ねたのに
「お前じゃない」
聞こえたのはキツい声。

「何言って?」

俺じゃないって?
なら誰だよ?

「なんで泣く?」

キラキラ太陽の光で輝く涙。
まるで水晶かダイヤモンドみたいだ。
スッゲェ綺麗。

「嫌だよ・・・トシじゃなきゃ嫌・・・」

トシ?
そういえばさっきもそう呼んだよな。

どういう事だ?

「坂田?」
ワケが分からなくて、光る宝石に手を伸ばした瞬間
「土方くん」
名前を呼ばれた。

又かよ。

仕方なしに俺は、声の方に足を向けた。
多分告白だろう。
面倒臭いなぁ。


翌日
「おはよう土方」
「土方くんおはよ〜」
前と何ら変わらない日々が再開した。
記憶が戻った事を告げると、皆喜んでくれた。

だが、何故か銀時はアレ以来1度も話し掛けて来なくなった。

物凄く記憶喪失の間の事が気になる。

が、何の進展もないまま月日が流れた。



雨が降っていた日
「ちょっといい?」
階段を歩いていたら
『銀時?』
背後から声を掛けられた。
『何?』
振り返ろうとした直前、グィッ
『え?』
無理矢理引き寄せられキスをされた。
『?????』
驚きで見開いてしまった瞳。
『今コイツ何をした?』
「ヤメロッ!!」
慌てて拭う唇。
『お前一体何考えてんだ?』
ワケが分からないって顔で見詰めると
トンッ
突き飛ばされた。

って、オイ何すんだよ?

「ごめんね土方」
ゆっくり落ちて行く身体。
どうにかしなきゃいけないのに、スローモーションの様に見えるのに
何も出来なかった。
ガタァーーーンッッ!!!
落下したと同時に身体を襲った痛み。

頭イテェ。ズキズキする。

気を失う直前
「ごめんなさい」
銀時の・涙が見えた。

どうしてだろう?
初めて触れたのに、俺・知っていた。
あの唇の感触
柔らかくて甘くて癖になってしまいそうな
まるで1度手を出したら止めれなくなる
麻薬の様な甘さ。

どうしてだ?

なぁ、銀時教えてくれ。
お前はどうして俺にこんな事したんだ?

薄れていく意識。

銀時、次は記憶喪失になんてならないから
お前の事忘れたりなんかしねぇから
目が覚めた時教えて欲しい。

俺は一体何を忘れたんだ?
何がそんなにお前を傷付けてる?
絶対聞くからな。
だから目を覚ました時、俺の側に居ろよ?

なぁ、銀時・・・。


[*前へ][次へ#]

8/14ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!